『君の名は。』から続くSNSの口コミ力

C 僕が観に行った公開3週目にいたお客さんは、ピンときてない人が多い印象でした。エンドロールの段階で4分の1くらいは席を立ってましたし、館内が明るくなっても、若い女のコの「よくわからなかった~」って声がチラホラ聞こえました。

A ほかに足を運びたくなる要素は、ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞してることが挙げられる。

B ヴェネツィアやトロントの国際映画祭に出して、賞を取って箔をつけてからアカデミー賞を狙うのが最近のトレンドみたい。

A そうなんだ。ただ金獅子賞を取ったことがフィーチャーされてるかといったら、そうでもない。やっぱり口コミによる影響が大きい気がする。

D 結局、予告のつくりが秀逸で、「なんか、この映画ヤバそう」と思わせることに成功できたというのが、多くの人の足を劇場に運ばせた大きな要素だと思う。内容的には全然ヤバイ映画じゃないし凡庸とすらいえ、こんなに騒ぐほどの作品ではないよ。僕的には日本で同時期に公開されているクエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のほうが断然いいと思うけど、やっぱりタランティーノの映画って内容的に“予告がしずらい”から、興収も『ジョーカー』に全然およんでいない。“予告がしやすい”作品だという面も、『ジョーカー』がヒットしている要因としては大きいんじゃないかな。

B あと、SNS映えする作品ではある。キービジュアルのインパクトがあるから、その画像をタイムラインに投稿するだけで、見てるほうは「どんな映画なんだろう」って気になっちゃう。

C SNSで拡散されると、すぐですよね。今日本ってすごくミーハー化してるような気がする。昔って、もうちょっとはやりものに対してドライじゃなかったですか?

B タピオカもそうだもんね。はやったらすぐに食いつく。さすがSNS全盛時代。

C 『君の名は。』あたりからそういう傾向が強くなってるような。『カメラを止めるな!』も指原(莉乃)がツイッターで絶賛したら人気に火が付きましたし。今回も誰か芸能人がきっかけになってるんじゃないですか?

A いや、それはないと思うけど……(笑)。

B 確かに国内におけるここまでの大ヒットは、ミーハー要素もあるけど、内容的に僕は絶賛に近いよ。

C それでは前置きはこのくらいにして、そろそろ内容の話をしましょうか。

(構成=編集部)

※後編はこちら

『“退屈な映画”「ジョーカー」空前のヒットの謎…エンタメ性皆無ゆえの絶賛と批判』

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