見学コースは3つある。地下神殿「調圧水槽」と巨大竪穴「第1立坑」の見学を60分で行うコースは定員50人で参加料金は1000円。この放水路はさまざまなメディアに取り上げられ、米国のCNNが日本の洪水対策施設として紹介したこともある。首都圏の隠れた人気スポットだ。

 羽田空港国際線ターミナルの見学ツアーも人気がある。大田・品川まちめぐりガイドの会が主催し、同会のガイドが国際線ターミナルビル内を案内してくれる。参加料は無料で毎月1回開催。定員は30人(先着順)。空港ターミナルのオリジナルグッズのプレゼントもある。

「春休み、夏休みはお子さま連れが多いです。それ以外の時期は、空港に見送りに来られたシニア層が目立ちますね。国際線ターミナルはエコとユニバーサルデザインの考え方を取り入れて、江戸の玄関口としてオープンしました。1階には盲導犬のお手洗いもあります。こうしたスポットを設置した狙いやエピソードも含めてご案内すると喜んでいただけますね」(大田観光協会の担当者)

 各地に人気インフラスポットがあるのだが、肝心のインフラツーリズムの認知度はまだまだ低い。国交省の調査(回答数1000人/2018年)では「インフラツーリズムという言葉を知っている」はわずか16%にすぎなかった。一方で「インフラ施設を見学したいか」という質問には、言葉を知っている人の94%、知らない人でも68%が「見学したい」と回答した。潜在ニーズの高さをうかがわせる結果だ。

 インバウンドの反応も興味深い。「インフラツーリズムに興味があるか」という質問に、87%が「ある」と回答。対象は20か国63人と少ないが、9割近くが興味を示しているのだ。

 単にインフラの見学だけでなく、周辺の温泉、名勝、グルメ、伝統文化などを組み合わせたコースを紹介していけば、インバウンド向けの新たな観光鉱脈になる可能性はありそうだ。まずは認知度アップからスタートだ。

(文=山田稔/ジャーナリスト)

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