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湯之上隆「電機・半導体業界こぼれ話」

半導体装置市場、報じられない地殻変動…カギ握る台湾TSMCの動向、中国市場の挙動不審

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 ところが、市場規模がさほど大きくないArFドライでは、ASMLのシェア(38.3%)をニコンのシェア(61.7%)が上回っている。また、NANDフラッシュメモリが3次元化して、再び脚光を浴びるようになってきたKrFやi線露光装置では、ArFドライ同様、ASMLがトップシェアではなくなっている。

 KrFでは、キヤノンがシェア51.1%でトップとなり、2位のASML(46.2%)を凌駕している。また、i線では、1位キヤノン(55.2%)、2位Veeco(23.5%)、3位ニコン(12.8%)、4位ASML(8.5%)となっており、ASMLが最下位になっている。

 以上の結果から、露光装置メーカーが生き残るための戦略が透けて見える。露光装置全体で圧倒的なトップシェアを誇るASMLは、i線、KrF、ArFドライについては手を抜き、市場規模が大きく最先端のEUVとArF液浸にリソースを集中しているのだろう。このことから、世界の半導体の最先端の微細加工は、ASMLの双肩にかかっているといえよう。

 一方、ASMLとは勝負にならないニコンは、隙間市場のArFドライに焦点を当て、ASMLのシェアを上回る見込みである。また、KrFとi線にリソースを集中したキヤノンが、この2つの分野でトップシェアになっている。さらに、Veecoはキヤノンの半額以下の低価格i線で生き残りをかけている。

 ArF液浸とEUVをほぼ独占し、最先端の微細加工の命運を担うASMLの存在はやはり大きい。しかし、最先端の半導体を製造するためには、i線、KrF、ArFドライの各露光装置も依然として必要である。ニコン、キヤノン、Veecoは、最先端の競争から脱落してしまったが、それぞれが、i線、KrF、ArFドライなどで、生き残るための陣地を確保している。つまり、露光装置メーカーは、各種の露光装置にうまく棲み分けていると考えられる。

地域別の露光装置市場の分析

 次に、地域別の露光装置市場の推移を図2に示す。この図から、メモリメーカーのサムスン電子やSK hynixがある韓国市場が、2016年から2018年にかけて大きく成長するが、2019年に低迷することがわかる。メモリ市場は、2016年から2018年にかけて爆発的に成長したが、2019年に突如不況になった。

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