大阪の「夢洲」は一歩後退?

 大阪府はカジノ法案が話題になった当初からIRに名乗り上げてきた。候補地は大阪湾にある人工島の「夢州(ゆめしま)」。広大な土地はあるが、現在はコンテナターミナルが2つあるのみの空き地だ。大阪府と市は万博とIRのセット誘致を掲げてきた、2025年の万博開催が決定。IR誘致にも弾みがついた。大阪は日本維新の会の本拠地。知事と市長が入れ替わる奇策で、市長の吉村洋文氏が知事、知事の松井一郎氏が市長に当選した。安倍政権は「改憲勢力」の維新の会との関係を重要視しており、カジノ誘致に異論はない。

 IR運営大手の米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスの2社は10月24日、大阪市で共同記者会見を開いた。MGM日本法人のエド・バワーズCEOは、「(日本での事業展開は)大阪オンリーだ」と述べ、夢州IRのみの参入を目指す姿勢を強調した。これまでは「大阪ファースト」というフレーズを使っていたが、「大阪オンリー」と一歩踏み込んだ表現でアピールした。

 ただ、米ラスベガス・サンズが大阪から撤退したのは痛手だ。絶対本命から一歩後退した、との見方も出ているが、首都圏1、関西1、地方1と全国に分散させる方針が生き続けているなら、「夢洲」は実現するだろう。

 和歌山県は地元選出の二階俊博・自民党幹事長を押し立て、マリーナシティへの誘致に力を入れている。大阪に比べて規模が劣るのが最大のネックだ。

北海道と愛知は足並みが揃わず

 首都圏、関西圏以外をみてみると、北海道は2019年4月に行われた知事選で、IRに中立な立場の鈴木直道氏と反対派の石川知裕氏が一騎打ちになった。選挙の結果次第でIR誘致の方向性が変わる可能性があった。鈴木氏が勝利したことにより、高橋はるみ・前知事の「苫小牧市を候補地とする」IRの方針が引き継がれた。その方針に以前から手を挙げていた後志総合振興局管内にある虻田郡留寿都(るすつ)村(土屋隆幸村長)が反発。リゾート開発会社、加森観光が運営するリゾート「ルスツリゾート」を中心とする独自のIR構想を打ち出すなど一本化できていない。

 加森観光が運営する留寿都村のリゾート「ルスツリゾート」は、北海道最大級の高原リゾート。遊園地、ゴルフ場、スキー場あり、スキー場は外国人観光客に人気が高い。敷地内の山頂から、支笏洞爺湖国立公園の景色を眼下に望むことができる。留寿都村は童謡「赤い靴」のふるさとでもある。

関連記事

プレスリリース入稿はこちら サイゾーパブリシティ