愛知県も同様。大村秀章県知事と河村たかし名古屋市長は犬猿の仲。県内へのIR誘致をめぐってもバトルを繰り広げてきた。県が常滑(とこなめ)市の中部国際空港島(セントレア島)を検討しているのに対し、名古屋市は市内の名古屋港周辺への誘致を主張。お互い譲る気配はない。国交省の調査に、名古屋市がいち早くIR誘致に名乗りを上げたが、愛知県と共同歩調を取らない限り誘致は難しい。

最有力候補のハウステンボスは脱落

 長崎県が推す佐世保市のリゾート施設・ハウステンボスはどうか。他地域より一歩も二歩も先行していたが、今はカジノ誘致の気運は萎んだ。ハウステンボスの澤田秀雄社長が「海中カジノ」構想を打ち出すなど旗振り役を務めてきた。ところが同氏がハウステンボス社長を辞め親会社のエイチ・アイ・エスの会長兼社長として経営に専念することになった。ハウステンボスは方針を転換。カジノの運営に加わらずIR誘致が決定したら敷地の一部をIR用に売却することとなった。事実上の撤退宣言である。

 当初、長崎を「オール九州のIR」とすることを九州地方知事会議で議決した。しかし発案者の澤田氏が手を引いたため、福岡県が外れ、この構図が崩れた。この間隙を縫って北九州空港への誘致案が浮上した。だが、地元の北九州市がIR誘致に難色を示したため暗礁に乗り上げている。

 地方の1枠は北海道、愛知、長崎とも選に漏れる可能性が高い。

安倍政権が想定しているのは沖縄

 もともと、政府がIR誘致の最有力候補に想定していたのが沖縄だった。安倍内閣は沖縄経済の振興策の柱として、カジノを含むIR誘致と那覇空港の第二滑走路建設を掲げ、交換条件として普天間基地の辺野古移設推進を挙げていた。2014年の知事選で推進派の仲井眞弘多知事が落選。替わって辺野古移設に反対する翁長雄志氏が当選。さらに現在の玉城デニー氏と2代続いて辺野古移設反対派の知事が続く。それとともにカジノ誘致の話も立ち消えになった。

 安倍政権は諦めたわけではない。辺野古移設は普天間基地返還の根幹をなすもの。次回知事選で辺野古推進派の知事を擁立、知事選の沖縄経済振興策の目玉としてカジノ誘致を打ち出す考えだ。沖縄は、いつカジノの開業を目指すかだけだろう。「最初の3枠に入らないとしても、次は間違いない」(永田町筋)といわれている。

(文=編集部)

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