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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

首里城火災で露呈、日本の世界遺産・重要文化財の「杜撰すぎる防火対策」…文化庁の怠慢

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
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文化庁、問題を認識しつつ対応は後手

 今回は、世界遺産・国宝・重要文化財の建造物について取り上げたが、国宝・重要文化財の美術工芸品を保管する博物館等についても、ほぼ同様の状況にあり、十分な防火体制が備わっているとはいえない状況だ。

 同調査では、こうした問題点について、「特に世界遺産や国宝について早急に対策を講ずる必要がある」と指摘し、「専門家や消防庁、国土交通省等の関係省庁と連携し、文化財の火災リスク等の把握と、それに応じた防火設備の整備の検討に資するガイドラインを今後新たに作成し、文化財所有者等や地方公共団体、博物館等に提供する」としている。また、「今回の調査により明らかとなった課題を解消できるよう、実地調査等も通じてさらに精査を加え、必要な整備等を把握し、国宝や世界遺産等を中心とした文化財防火対策について総合的かつ計画的に対応策をとりまとめ、防火体制を確立していく予定」としている。

 しかし、この調査が発表されたのは8月であることを考えれば、文化庁は世界遺産・国宝などの“防火体制の甘さ”を十分に認識していたはずであり、十分な警鐘を鳴らし、危急の防火体制整備を呼びかけていれば、今回の首里城の火災が防げたかもしれないと考えると、残念至極だ。

(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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