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片田珠美「精神科女医のたわごと」

田代まさし逮捕、覚せい剤への強烈な「渇望」と「快感」…過去の栄光と惨めな現状の差も原因か

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3月某日、都内で地下鉄に乗車中の田代まさし

 元タレントの田代まさし容疑者が覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕された。覚せい剤で4度目の逮捕であり、コカイン所持による麻薬取締法違反での逮捕とあわせると、薬物での逮捕は5度目である。

 田代容疑者は、2014年7月に出所してから薬物依存症のリハビリ施設であるダルクでプログラムを受け、その後はスタッフとして働いていたと聞く。だから、本人も「今度こそやめよう」という強い決意を持っていたのではないかと思うのだが、また覚せい剤に手を出してしまった。

 これは、覚せい剤に強い依存性があるからだ。覚せい剤を1度でも使用すると、「やめたくてもやめられない」状態に陥る。これが「依存」であり、依存は「精神依存」と「薬物依存」に分けられる。

「精神依存」とは、薬物の使用を自分の意志でコントロールできなくなった状態、つまり「コントロール喪失」である。薬物が切れると、いても立ってもいられないほどその薬物が欲しくなる「渇望( craving )」が強くなり、薬物を手に入れるための薬物探索行動が現れる。ときには、薬を手に入れるために強盗や売春などの犯罪に走ることさえある。それが、薬物に対する「渇望」の強さを物語っている。

「身体依存」とは、薬物の摂取によって生理的な状態に変化が生じ、その薬物が切れると、吐き気、嘔吐、けいれん、頭痛などの身体的な苦痛、いわゆる「離脱症状」が出現することである。

 この苦痛を軽減あるいは予防するために薬物を再摂取することになるのだが、これを続けていくうちに、量をだんだん増やしていかなければ効き目がなくなってしまう。覚せい剤の場合も、使用を繰り返しているうちに、1回に使用する量を増やさないと、最初に感じたような快感は得られなくなる。これを精神医学では「耐性」と呼ぶ。

 ここで挙げた「コントロール喪失」「離脱症状」「耐性」の3つの要因が依存症の軸である。覚せい剤は、摂取した人に快感や多幸感を与えると当時に、もう1度同じ感覚を味わいたい、そのために再び摂取したいという欲求を起こさせる依存性薬物なので、1度でも使用すると「やめたくてもやめられない」状態になるのだ。

忘れられない快感

 もう1度同じ感覚を味わいたいと思い、「渇望」が強くなるのは、覚せい剤で味わった快感を忘れられないからだろう。

 覚せい剤取締法違反で何度も逮捕され実刑判決を受けて刑務所に入っていた男性の話を聞いたことがあるのだが、刑務所に入っている間も、覚せい剤で味わった快感を忘れられず、「ここから出たら、あそこの売人のところに行ってシャブを買おう」ということしか考えていなかったという。

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