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本当に「体に良い食べ合わせ」の秘密…栄養素を効率的に吸収するためには“油”が必須

文=赤石定典/管理栄養士、東京慈恵会医科大学附属病院栄養部
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 鶏手羽をお酢とみりん、しょうゆで煮出すことによって骨肉のカルシウムと皮や軟骨のコラーゲンを煮汁に出すことができる鶏手羽の甘辛焼きも、ストレスを軽減してくれる料理です。シジミ汁やアサリ汁などをつくるときに味が変わらない程度の酢を入れて煮ると、貝殻から汁にカルシウムが滲出してきます。また、白菜の甘酢和えには、GABAとお酢のダブル効果があります。

集中力をアップさせる食べ合わせとは

 脳の中の細胞と細胞をつなぐ神経伝達物質として必要なのが、「アセチルコリン」です。このアセチルコリンを機能させるためにも、DHAなどのオメガ3を摂ることが必須です。アセチルコリンを増やすためにはコリンを摂取することが大切であり、コリンはレシチンの中に入っています。レシチンが多いのは、大豆、卵黄、ゴマ、コーン、小魚、レバー、ウナギなど。摂取するなら、大豆レシチンよりも卵黄レシチンのほうがいいと思います。

 また、集中力をアップさせるためには、血液が元気でなければなりません。そのためには、鉄分とビタミンB₁、B₂が必要です。パントテン酸(ビタミンB₅)も、さまざまな体の酵素に対して働きかけてくれるので有効です。そして、糖質をエネルギーに転換するビタミンB₁が不足すると、疲れやすくてだるいといった夏バテのような症状になります。

 これらの栄養素は、集中力を上げるだけではなく、脳の活性化や認知症予防にもつながるでしょう。おすすめの食材は、カキ、納豆、レバー、魚介類、卵、肉類。料理はカキフライ、アジのたたき丼卵黄添え、ねばねば丼です。

「○○カット」だけではなく楽しい食事を

 食事はバランスが大切です。「糖尿病だから糖質をカット」「高血圧症だから塩分をカット」という食事では楽しくないですし、おいしくありません。そんな食事が毎日続けば、患者さんだってウンザリしてしまいます。すべて「カット」「制限」という思考ではなく、ほかの部分をプラスしてバランスを取ろうというのが、私のスタンスです。

 それぞれの食材には特色があり、栄養素や成分にも特徴があります。栄養素には複数の成分が影響し合い、連携して健康な体づくりを維持する働きがあります。

 たとえば、貧血といえば「鉄分の不足」という知識を誰もが持っているのではないでしょうか。確かにそうなのですが、鉄分だけを摂っても体内で十分に機能してはくれません。鉄分を有効に機能させるためには、葉酸やビタミンC、ビタミンB₁、B₂、そしてタンパク質の助けが必要となるのです。

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