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『バチェラー・ジャパン3』に批判殺到もビジネスとしては大成功…好感度増した今田と指原

文=藤原三星
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『バチェラー・ジャパン』シーズン3公式サイトより

 いま日本で最も多く交わされている挨拶は「バチェラー見た?」なのかもしれない。そう感じずにはいられないほど、世間は『バチェラー・ジャパン』の話題で持ち切りだ。

 そもそも全米で『The Bachelor』とのタイトルでそのオリジナル版の放送が始まったのが2002年。それが今や、全世界225か国以上で放送され、30カ国以上の国々でローカライズ版も制作されるほどに、数ある恋愛リアリティ番組のなかでも指折りの実績ある人気シリーズへと成長している。

 日本では2017年2月に『バチェラー・ジャパン』というタイトルで日本版のシーズン1の配信がスタート。容姿端麗かつ社会的な成功を得ている独身男性(バチェラー)との恋愛成就を巡って参加女性たちが激しいバトルを繰り広げる――という内容に、今田耕司、オリエンタルラジオの藤森慎吾、指原莉乃らスタジオ側MC陣のハイレベルなコメント力もあいまって、動画配信全盛のこの時代にあって、視聴者のハートを鷲掴みにすることに見事、成功したのである。

配信終了後の“大どんでん返し”

 Amazonプライム・ビデオのなかではトップクラスの人気タイトルとなり、著名芸能人にもファンが多いことで知られている、この『バチェラー・ジャパン』。2018年5月に配信開始されたシーズン2に続き、2019年9月に配信開始、この10月末に全話の配信が完了した最新版のシーズン3において、いったい何が起こったのか? 以下、未見の方にはネタバレ必至の内容が続くが、そこはご容赦いただきたい。あるテレビ誌の記者は次のように語る。

「最終回で、元ホステスの水田あゆみさんとぶどう農家の岩間恵さんが残り、バチェラーの友永真也さんは迷った末に水田さんを選択。カップルが誕生すると、参加者全員がスタジオに集まって今までを振り返る“トークスペシャル”があるのですが、実はそのスタジオ収録の前に、カップルになっていたはずの水田さんとはすでに別れてしまい、しかも友永さんは選ばなかったはずの岩間さんに改めて個人的にアプローチをして『岩間さんと交際中』である――ということが、スタジオ収録で明かされてしまったのです。

 これには、MCの今田耕司さんや指原莉乃さん、そしてバチェラーにフラれた女性参加者全員も絶句するしかありませんでした。指原さんなんて、怒りと驚きで泣いてしまい、『(バチェラーの友永さんを)訴えたほうがいい』とまで本気で言ってましたから」

もはや誰も祝福していない

 このあまりにもむごい結末が配信されるや否や、視聴者からは当然ながら非難殺到。SNSはいまだに大炎上中なのである。

「番組のルールを完全に無視し、すべての撮影が終了した後に自分でフったはずの岩間さんに連絡を取り、口説き落としたわけですからね。出演者もそうですが、スタッフも『ふざけんな!』という思いでいっぱいでしょう。

 そもそも『バチェラー・ジャパン』は、リアリティ番組の本場・アメリカで生まれた番組だということもあり、ロケ中には参加者のスマホが取り上げられたり、ロケに参加することが口外禁止とされているなど、配信前に情報が流出しないよう、参加者を厳重に管理することでも知られています。

 しかし、それだけ厳重に管理しているにもかかわらず今回のシーズン3では、配信前に出演者同士の密会が平然と行われていることがわかったり、岩間さんが自身のSNSでバチェラーが住んでいる神戸の街に自分がいる写真をアップしたり、バチェラーも岩間さんと海外旅行に行っているところを視聴者に撮られしかもその写真が拡散されたりと、とにかく脇の甘すぎるSNS事件が続発したんです。

 その時点ではまだ最終回の配信前だったので、そのSNSを見た視聴者が『やはり最後に岩間さんを選んだんだ!』と思うのは当然。となれば成立カップルの脇が甘かったことによるネタバレだったか――と思いきや、『実は最終回で岩間さんを選んでなかった』『でも、水田さんをすぐ切って、やっぱり岩間さんとカップルになってた』というまさかの裏切りが明らかになって、今回の騒動になったわけです。こうした掟破りのカップルに対して、もはや誰も祝福などしていない状況となっているわけです」(前出・テレビ誌記者)

今田耕司の見事な仕切り、指原莉乃の見事な怒り

 身勝手な振る舞いで、出演者だけでなくスタッフや視聴者をも敵に回した格好となった今回のバチェラー。しかし、「批判がほとんどとはいえネットがここまで盛り上がったため、結果として視聴者数は相当伸びたそうですよ」と語るのは、ある週刊誌の記者だ。

「やはり、ここまで話題になると観たくなるのは人の性。結末は腹立たしいものでしたが、盛り上がりとしてはシリーズ最高を記録し、結果としてバチェラーというコンテンツの人気を不動のものにした感もあります。アマゾン社は、ゴージャスなロケ費用などの制作費はもとより、広告費も相当かけてプロモーションをしていたのですが、ここまで視聴されれば、ビジネスとしては大成功だったと思います。一部では『すべて台本では?』という声もありましたが、制作スタッフもこのまま放送するか最後まで悩んだほど、すべてガチンコだったそうですね。

 一方、ここまでの騒動に発展した今回の最終回を、司会の今田耕司さんがしっかり仕切って怒りを笑いに変えたのは見事。なぜ今田さんが司会者として安定した人気があるのかが感じられる仕上がりになっていると思います。また、指原さんの怒りも視聴者の声を見事に代弁していて、相当好感度が上がったと思いますね。素人出演者たちの素人すぎる振る舞いが騒動に発展したわけですが、仕切り役のプロたちがしっかりまとめてくれたのは、さすがとしかいいようがありませんね」

 批判だけでなく、意外な評価も生んでいた今回の『バチェラー・ジャパン』。涙と笑いと裏切りに満ちた史上最大の問題作は、コンテンツとして見れば確かに大成功を収めたといっていいのかもしれない。
(文=藤原三星)

藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・コメンテーター・脚本家・コピーライターなど、エンタメ業界に潜伏すること15年。独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を中心に量産中。

Twitter:@samsungfujiwara

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