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山崎俊輔「発想の逆転でお金に強くなる『お金のトリセツ』」

PayPay + LINEPay or d払い、が最強? Suicaならモバイルが得

文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表
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PayPayの起動画面

 10月1日より消費税率が10%に引き上げられました。同じ買い物をするために必要なお金が2%多くなったということは、家計にとっては負担増です。たかが2%といっても、手取りが月16万円の家計なら3200円ですから、飲み会やデートの1回分、ゲームソフト代やアプリ課金代くらいにはなるでしょう。実際には食品など軽減税率適用で8%に据え置きになるものや、家賃など消費税がかからないものもありますが、それでも家計には少なくない負担です。一般的に賃上げは年度初めが多いため、10月1日に給料が増えることはあまりないので、少なくともこの半年間は負担だけが増える人が大半です。

 秋というタイミングでの消費税率引き上げを切り抜けるひとつの光明が、「キャッシュレス決済ポイント還元」です。これは、国がキャッシュレスの普及と増税後の消費の平準化対策として行うものです(一部、コンビニエンスストアなどが負担することもあります)。

 ポイントは、「キャッシュレス決済」と「対象が中小店舗」であることです。まず、キャッシュレス社会への移行促進というのが狙いなので、「電子マネー(スマホでもICカードでも可)」「クレジットカード」「プリペイドカード」「デビットカード(銀行のキャッシュカードを使う決済)」などで決済することが必要です(店舗により対応する決済方法が異なる)。実はこれ、キャッシュレスへの切り替えが遅れている中小店舗に決済端末を導入させるとともに、中小店舗の景気対策を行うという狙いもあるのです。

 キャッシュレス決済に対応している中小店舗では、基本的にポイントの仕組みで5%が還元されます(後日付与される場合と、即時割り引きされる場合がある)。また、チェーン店であってもフランチャイズでオーナーが中小事業者である場合、2%還元となります。大手チェーンの一部には、本部が2%相当を負担して購入客に還元しているところもあるようです。地図上から還元対象の店舗を探せるアプリがあります。

 期間は来年の6月末までを予定しており、9カ月の期間限定政策ということです。

高齢者にはキャッシュレスはハードルが高い? 得をするのは使いこなせる若い世代

 さて、今回考えてみたいのは、若い世代のマネープランにおいて、このチャンスを活用してみたいということです。あるニュースによれば、高齢者はキャッシュレス決済がお得とわかっていても、なかなか対応し切れていないそうです。確かに、私の母親に「小さなお店で使うと5%還元されるよ」と言っても、意識的にキャッシュレスを利用してくれるかは微妙なところです。ICカードのSuica(JR東日本グループ)は使えるようなので、それをできるだけ使うようにとアドバイスするのが精一杯かな、という感じがします。モバイルSuicaにするとJR東日本の切符代が2%還元になるおまけもついてくるのですが、「JREポイントクラブに登録もしておいて。もちろんウェブでね。会員登録にはメルアドが必要で認証があるから」なんて言ったら、70歳を間近に控えた母はお手上げでしょう。

 逆にいえば、使いこなせる世代、つまりスマホの設定にあまり苦労しない人たちは、キャッシュレスを使いこなすほど得をする、ということになります。あまり積極的に移行していなかった人も、PASMOやSuicaのような交通系電子マネーは通勤で使っているはずです。これをそのままコンビニでも使うところから始めればいいのです。どうせ時代はキャッシュレスの方向に進むのでしょうから、今がキャッチアップのチャンスです。

対象店舗はアプリとステッカーで探す 地元商店街と職場近くの居酒屋が狙い目

 さて、基本的な仕組みは説明しましたが、もっと具体的に「狙い目」を考えてみると、地元商店街と職場近くの居酒屋が狙い目だと思います。

 まず、自宅近くに商店街がある場合、対応店舗があるかどうか調べてみます。前述のとおり検索用の公式アプリが便利です。「Suicaが使えるわけない」と思っている店舗が、この数カ月で端末を導入しているというケースもけっこうあります。こうした店舗は店頭ないしレジ前に「キャッシュレス決済還元」と書かれたステッカーが貼られています。赤い丸の中に文字の「C」が描かれ「レ」のマークが組み合わされています。

 こうした店舗では、5%ないし2%還元が受けられます。チェーン展開をしていない地元のスーパーが5%還元していたら、ひいきにするといいでしょう。街の本屋さんなどでも5%還元をしていることが多いようです。書籍や雑誌、漫画が安く買えるわけですから、これはお得です。

 また、職場近くでお昼ご飯を食べる個人経営っぽい飲食店や、仕事あがりに1杯やる居酒屋なども5%還元の狙い目です。11月末までPayPayが5%還元分のボーナスを店舗に付与しているためか、意外と居酒屋がPayPayに対応して5%還元の対象となっていたりします。お会計が高額になりがちな飲み会で5%還元が得られるなら、これは大チャンスでしょう。意外なところでは、紀伊國屋書店や三省堂書店が5%対象になっていたりします。「有名店だから対象外」と決めつけず、ちょっと調べてみることをオススメします。

「ICカード系+QRコード決済」がハンドリングしやすい

 もうひとつノウハウとして考えると、「電子マネーは何をセットしておくといいか」という問題もあります。今回のキャッシュレス決済のポイント還元対象にはクレジットカードも含まれますが、数百円の課金のたびにクレジットカードを出して待たされるのは、あまりスマートではありません。同じクレカを使うならスマホに登録して、「QUICPay」ないし「iD」で使うことをオススメします。

 また対象店舗をチェックしている限り、Suicaの対応度合いが他のサービスを上回っている印象があり(原則、大手コンビニチェーン3社はすべて対応済み)、モバイルSuicaをスマホに設定しておくと便利です。iPhone7以降と国内メーカーのAndroidスマホなら対応しているので、スマホ側で使えないという心配もあまりありません。

 前述のとおりモバイルSuicaはJR東日本の切符代の2%還元も実施しており、ICカードのSuica(0.5%還元)の4倍もお得です。ただしJREポイントの登録が必要です。

 QRコード決済の電子マネーについては、何を設定するかは悩ましいところです。候補としてはPayPay、LINEPay、d払いということになると思いますが、さすがに3つすべてを入れて使い分けるのは面倒です。

 仮に2つに決めるなら、まず前述の「5%+5%還元」などお得なシーンが多いPayPayを設定して、あとはLINEPayかd払いのどちらか一つを設定してはどうでしょうか。LINEPayも高還元率を期間限定で実施することが多く、設定して困ることはないでしょう。友人との割り勘などもLINE経由で簡単にできます。チャージ額はそれぞれ数千円単位にして「電子マネーに残高はあるけど、お店で対応してなくて決済できなかった(しかも現金は足りない!)」ということのないようにしましょう。

買い物の半分でも5%還元できれば、消費増税も乗り越えられる!

 以上、ポイント還元対応の店舗探しのコツと、セットする電子マネー選びのコツを紹介しました。ポイント還元は軽減税率とは関係ないので、食品を買ってもポイントがつくため、むしろ「増税前より割安」ともいえます。

 中小店舗に限られるため、買い物のすべてでポイント還元というわけにはなかなかいきませんが、半分でも5%還元が得られれば、消費増税分をカバーすることは十分に可能です。

 スマホのアプリ設定に苦労しない世代ならば、こうした「得」をガッチリつかんで、増税を乗り切ってみてください。

(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表

1972年生まれ。中央大学法律学部法律学科卒業。企業年金研究所、FP総研を経て独立。個人の資産運用や老後資産形成のアドバイスが得意分野。日経新聞電子版やYahoo!ニュースなど多数連載を持つ。月間PVは200万以上。
フィナンシャル・ウィズダム代表 ファイナンシャルプランナー
financialwisdom

Twitter:@yam_syun

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