また、職場近くでお昼ご飯を食べる個人経営っぽい飲食店や、仕事あがりに1杯やる居酒屋なども5%還元の狙い目です。11月末までPayPayが5%還元分のボーナスを店舗に付与しているためか、意外と居酒屋がPayPayに対応して5%還元の対象となっていたりします。お会計が高額になりがちな飲み会で5%還元が得られるなら、これは大チャンスでしょう。意外なところでは、紀伊國屋書店や三省堂書店が5%対象になっていたりします。「有名店だから対象外」と決めつけず、ちょっと調べてみることをオススメします。
「ICカード系+QRコード決済」がハンドリングしやすい
もうひとつノウハウとして考えると、「電子マネーは何をセットしておくといいか」という問題もあります。今回のキャッシュレス決済のポイント還元対象にはクレジットカードも含まれますが、数百円の課金のたびにクレジットカードを出して待たされるのは、あまりスマートではありません。同じクレカを使うならスマホに登録して、「QUICPay」ないし「iD」で使うことをオススメします。
また対象店舗をチェックしている限り、Suicaの対応度合いが他のサービスを上回っている印象があり(原則、大手コンビニチェーン3社はすべて対応済み)、モバイルSuicaをスマホに設定しておくと便利です。iPhone7以降と国内メーカーのAndroidスマホなら対応しているので、スマホ側で使えないという心配もあまりありません。
前述のとおりモバイルSuicaはJR東日本の切符代の2%還元も実施しており、ICカードのSuica(0.5%還元)の4倍もお得です。ただしJREポイントの登録が必要です。
QRコード決済の電子マネーについては、何を設定するかは悩ましいところです。候補としてはPayPay、LINEPay、d払いということになると思いますが、さすがに3つすべてを入れて使い分けるのは面倒です。
仮に2つに決めるなら、まず前述の「5%+5%還元」などお得なシーンが多いPayPayを設定して、あとはLINEPayかd払いのどちらか一つを設定してはどうでしょうか。LINEPayも高還元率を期間限定で実施することが多く、設定して困ることはないでしょう。友人との割り勘などもLINE経由で簡単にできます。チャージ額はそれぞれ数千円単位にして「電子マネーに残高はあるけど、お店で対応してなくて決済できなかった(しかも現金は足りない!)」ということのないようにしましょう。
買い物の半分でも5%還元できれば、消費増税も乗り越えられる!
以上、ポイント還元対応の店舗探しのコツと、セットする電子マネー選びのコツを紹介しました。ポイント還元は軽減税率とは関係ないので、食品を買ってもポイントがつくため、むしろ「増税前より割安」ともいえます。
中小店舗に限られるため、買い物のすべてでポイント還元というわけにはなかなかいきませんが、半分でも5%還元が得られれば、消費増税分をカバーすることは十分に可能です。
スマホのアプリ設定に苦労しない世代ならば、こうした「得」をガッチリつかんで、増税を乗り切ってみてください。
(文=山崎俊輔/フィナンシャル・ウィズダム代表)