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ソフトバンク、LINEを実質買収で広がる信用不安…巨額有利子負債抱え“自転車操業”

文=編集部
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ソフトバンクG、19年7-9月期決算を発表(写真:アフロ)

 インターネット検索サービス「ヤフー」を展開するZホールディングス(HD)と無料通信アプリ大手のLINEが経営統合に向け、最終調整に入った。月内の合意を目指す。ZHDの親会社ソフトバンク(SB)とLINEの筆頭株主、韓国ネイバーが折半出資して新会社を設立し、新会社をSBの連結子会社にする方針だ。ネイバーも新会社に50%出資する大株主になる。

 LINEの利用者は約8000万人、ヤフーの利用者数は5000万人に上る。統合が実現すれば、SNSや検索、ニュースメディア、ネット通販、金融などを手がける1億人規模のITサービス企業が誕生する。

 両社が力を入れているのがスマホ決済。キャッシュレス決済は82兆円と見込まれる巨大市場だ。LINEの「LINEペイ」の登録者数は3690万人、SBの「Pay Pay(ペイペイ)」は1900万人。合計5590万人はNTTドコモの「d払い」(1000万人) の5倍を超え、この分野で圧倒的な優位に立てる。

Pay Payを軸にグループ再編

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は、携帯電話事業から投資事業に経営の軸足を移した。 SBG傘下の10兆円ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」を通じて、海外の人工知能(AI)企業の有力株に集中投資した。国内でもグループのビジネスモデルの再編を打ち出し、この1年で劇的に変化した。まずSBGの国内通信子会社ソフトバンクが2018年12月19日、東証1部に上場した。これを皮切りに事業再編へ動く。

 ヤフーは19年、10月1日付けで持ち株会社制に移行し、社名をZHDに変更した。持ち株会社の傘下に広告や検索などのインターネット関連事業を運営するヤフーと、ジャパンネット銀行などを統括する金融持株会社をぶら下げた。SBは19年5月8日、ヤフーを連結子会社化すると発表。4565億円を投じ、出資比率を12.08%から44.64%に引き上げた。ヤフーの親会社はSBGからSBに交代した。

 SBとヤフーが共同で出資するスマホ決済サービスのPay Payは5月8日、SBGから460億円の出資を受け入れると発表した。この出資によりSBGはPay Payの株式の50%を保有することになった。ヤフーとSBの出資比率は各50%から同25%に下がる。Pay PayはSBGの直轄となった。ヤフーは8月、大騒動の果てに通販会社のアスクルを呑み込んだ。9月には衣料品通販サイト「ゾゾタウン」を運営するZOZOの買収を決めた。グループへの他社の取り込みを強化した。そして今回、ZHDがネイバーのLINEと経営統合する。

BusinessJournal編集部

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