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六代目山口組の島田紳助引退で取り沙汰された大物組長が引退…そのほか人事面での改革が断行中

文=沖田臥竜/作家
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名古屋市内の施設では、二次団体の親分衆らによる持ち回り制の当番が始まった

 芸能業界に激震が走ったのは2011年のこと。吉本興業所属芸人として一世を風靡していた島田紳助氏が、暴力団関係者との交際を認め、突如、芸能界を引退することになったのだ。当時、その紳助氏と交流があったとされた暴力団関係者こそ、六代目山口組極心連合会の橋本弘文会長であった。

 橋本会長は、六代目山口組においては、実質的にナンバー4といわれるほどの実力者。その橋本会長が11月12日付で、引退することが発表されたのだ。

 「10月の髙山若頭(六代目山口組・髙山清司若頭)の出所後から、橋本会長が引退するのではないかと噂になっていました。正式発表の数日前には、橋本会長はすでに引退したようだ、いやまだしていない、とさまざまな情報が業界内を錯綜していたのです。そうした中、12日付で正式に引退したことが発表されました。これも髙山若頭の出所後、矢継ぎ早に行われている山口組改革のひとつなのか、それとも髙山若頭が一線に復帰したことで、橋本会長が自ら肩の荷を下ろすことができると判断してのものなのかはわかりません」(ジャーナリスト)

 確かに、橋本会長の引退と髙山若頭の出所は、なにかしらの関係があったと見るのが妥当だろう。一方で、現在、矢継ぎ早に行われている組織改革の一環という意味合いが大きいとの見方もできるのではないだろうか。例えば、時を同じくにして、六代目山口組の執行部では、それまで若頭補佐を務めていた二代目健心会・江口健治会長がその任を解かれ、六代目山口組の直参を降り、髙山若頭の舎弟となっている。

 「一部では、それらを髙山若頭の独裁の始まりだとする声もあると聞くが、そうとはいえないのではないか。利己的な目的ではなく、髙山若頭だからこそやり遂げることが可能な山口組のための強烈な大改革といったほうが正しいだろう。それは将来の山口組を思ってのこと。山口組が分裂したことで、ある意味、ヤクザ業界内の秩序が大きく乱れることになった。そこで、あらためて内部をがちりと固めて、神戸山口組など離脱勢力に対して、妥協は一切しないとプレッシャーをかけてみせているのではないか。どちらにしても、これをやり遂げることができるのは、髙山若頭しかいない」(業界関係者)

 さらに、そうした改革は、司忍・六代目山口組組長と髙山若頭を輩出した六代目山口組の中核組織である三代目弘道会でも行われていた。

 三代目弘道会といえば、その傘下である野内組に「今年最大の大型移籍」ともいわれる大阪のビッグネーム・権太会が加入し【参考記事「 山口組分裂騒動で注目される権太会を率いる平野権太会長とは」】、その結果ますます勢力を拡大させ続けていることは、当サイトでも報じた通りである。その野内組の野内正博組長が、三代目弘道会の若頭に就任したのである。

 「野内組長は髙山若頭が創設した初代髙山組の出身で、初代髙山組では行動隊長を務め、常に最前線に立ち続け、髙山若頭からの信頼も厚いといわれている。今回、若頭に就任するにあたって、髙山若頭直々にこのような言葉があったのではないかといわれている。それは『プラチナ(六代目山口組の直参)に昇格させるつもりはない』というもの。つまりそれは、若頭として弘道会内部を頼んだぞ、という意味ではないか」(地元関係者)

 その他にも三代目弘道会では、大幅な人事異動がいくつか行われている。中でも特筆すべきは、先述した通り、これまで六代目山口組若頭補佐を務めていた二代目健心会・江口会長が直参を降りてまで髙山若頭の舎弟になり、同会長が率いた二代目健心会は、預かりという扱いながら、三代目弘道会に加入したことだろう。

 「漏れ伝わる話では、江口会長から髙山若頭に対して、今後はオヤジと呼ばせていただけばよいでしょうか、という話があったのではないかといわれています。つまり、江口会長が髙山若頭の子分になることを意味しますが、それに対して、髙山若頭は、兄貴でいいではないか、という旨を述べ、髙山若頭の舎弟になったという話が聞こえてきています。弟分になれるとは、江口会長にとっては名誉なこと。それは、髙山若頭の留守中も江口会長が組織のために汗をかいてきたからこその配慮ではないでしょうか」(地元メディア)

 また、現在、神戸市灘区にある六代目山口組総本部が使用制限を受けているために、二次団体の親分衆による、持ち回り制の当番が名古屋市内の関連施設で始まったようだ。これは、この関連施設が暫定的に本部機能を持つことを意味するのだろう。

 髙山若頭が出所してきて、まだ1カ月ほどだが、この間にも次々に断行される人事を中心とした組織改革。筆者は分裂当初から囁かれ続けてきた言葉を思い出さずにはいられない。「髙山若頭が収監されていなければ、六代目山口組の分裂は起きていなかった」という言葉だ。六代目山口組の組織改革は、今後も続いていくだろう。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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