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沢尻エリカがMDMAをやめられなかった理由…元中毒者が語る壮絶体験「超わがままに」

文=稲垣翼/ライター
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第21回上海国際映画祭での沢尻エリカ(写真:Imaginechina/アフロ)

 合成麻薬「MDMA」を自宅に所持していたとして11月16日に逮捕された、女優の沢尻エリカ容疑者。数年前に一部で「大麻常習者」と報じられており、本人も「以前から違法薬物を使っていた」と認める供述をしているという。

 来年1月スタートのNHK大河ドラマ『麒麟がくる』では重要な役どころを任されていたほか、沢尻容疑者は数多くのCMや映画に出演しており、今後は莫大な損害賠償金が発生するとみられている。報道によると、その金額は5億円にも上る可能性があるという。長い年月をかけて築き上げた地位を失ってでも、沢尻容疑者がMDMAを使い続けた理由とはなんなのだろうか。

感情を増幅させるMDMA

「MDMAは『セックスドラッグ』などと報道されているが、その効果は使ったときの気分やシチュエーションにも関係する。一言で言えば、喜怒哀楽の感情を増幅させるんだ」

 MDMAの使用経験があるA氏は、こう語る。15年ほど前にクラブに出入りしていたA氏は、MDMAを「×(バツ)」と称してこう続ける。

「あの頃のバツにはね、そのときの感情を増幅させる効果があったよ。うれしさも増すし、悲しさも増すんだ。初めて使ったのは、風俗嬢を呼んだときだった。何度かプレイしていて、彼女との相性も良かったので、俺だけ飲んだんだ。俺はMっ気があり、女性に優しく責められるプレイが好きなんだけど、飲んで30分ほどしたら“責められたい気分”が増幅してね。『あれして、これして』と超わがままになり、気がつけばプレイ時間が終了していた。『もう、そろそろ……』と彼女に言われて2回も延長したけど、わがままは相変わらずで最後は彼女が疲れ果てていたな。

 2回目は、メールチャットで知り合った初対面の女性と一緒にホテルで飲んだとき。俺が最初に飲み、数分してから彼女も飲みたいと言ってきた。何度も会話して打ち解けていたはずだけど、奥底にあった彼女の緊張感が増したのか、クローゼットの中に閉じこもってしまった。『今はここにいさせて』と言いながら、全然出てこないんだ。仕方ないから、効果が切れるまで3時間ほど待ったよ。俺は逆に冷静になってしまったね」(A氏)

PTSDの治療薬としても研究が進む

 MDMAには、ドーパミンなどの脳内ホルモン放出を増大させる効果があるといわれる。飲んで20分もすると体温が上昇して、心拍数も高まる。クラブで流行するのも、“ハイテンション”が倍増するからだ。

 現在はPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療に効果があるともみられており、アメリカでは治療薬としての研究が進んでいるという。湾岸戦争でのPTSDに苦しむ退役軍人への効果が期待されているとの話もある。

「MDMAはうつ病やうつ症状の人に効果があるのでは?」とA氏に聞くと、こう答えた。

「それはあると思う。3回目に前述の風俗嬢と一緒に飲んだとき、お互いに目の前の相手が愛しくなってね。お互いの気分が同じベクトルに向かって増幅していき、ずっとキスしていたよ」(同)

 MDMAが別名「エクスタシー」と呼ばれる理由が、なんとなくわかる気がする。

「これは推測だけど、沢尻エリカは根がマジメだったんじゃないかな。仕事に対して自分が持っている以上のものを出そうと躍起になり、積み重なったストレスを解消させるため、大きな仕事に区切りがつく、あるいはちょっとした休みのたびに手を出していたのかもしれないね。

 ただ、今のバツには手を出しちゃダメ。当たり前だけど、臨床実験が行われているわけじゃないし、わけのわからない人間がつくっているから何が混ざっているか知れたもんじゃない。10年ほど前、ある俳優が女性に飲ませて放置した結果、死なせてしまった事件があったが、そういう死亡例も何度か聞いたことがある。昔はともかく、今のネタは危なすぎるんだ」(同)

 類まれなルックスと演技力で実績を重ね、初のNHK大河ドラマ出演を目前に控えながら、坂道を転げ落ちてしまったかのような沢尻容疑者。彼女にとっては「軽い気分転換」だったのかもしれないが、その代償は計り知れないほど大きなものになりそうだ。

(文=稲垣翼/ライター)

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