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小林敦志「自動車大激変!」

トヨタ新型カローラ、販売苦戦?の裏に意外な反応…3ナンバー化より日本向けボディが物議

文=小林敦志/フリー編集記者

 今まではCD再生時にハードディスクやSDカードに録音し、以降はCDをいちいち挿入しなくても音楽再生できるという機能付きカーナビを装着していたので、これぐらいの機能は残してほしかったと感じている。ディスプレイオーディオの採用については、少々行きすぎた印象を個人的には受ける。もう少し段階を踏んだほうが良かったかもしれない。

 また、はじめからディスプレイオーディオへの対応をあきらめている人もいるようだ。新型カローラシリーズの納車後、車内にラジカセを持ち込んでドライブ中に音楽を楽しむという、1980年代の若者のカーライフのような世界へ回帰したユーザーもいるという話は広範囲で聞く。

性能も価格も魅力的な新型カローラ

 新型カローラセダンとツーリングは、クルマとしての基本性能や歴代最高ともいえるカッコ良さを見せるスタイリングなど、クルマそのものとしては性能向上が著しい。先代比での価格アップは目立つものの、クオリティや装備内容のアップによる満足感の高さを考えると、価格設定も買い得といっていいレベルとなっている。

 ただし、レベルアップや先進装備の採用が“段飛び”で進んでしまい、販売現場ではそれが販促活動にブレーキをかける事態がしばしば発生してしまっている。これがカローラとは異なる車名で発売されれば、それはそれで良かったのかもしれないが、カローラは53年間も売り続けてきたクルマなので、従来モデルユーザーへの代替え促進が販促活動の基盤となるのは当然の話。先代「プリウス」ユーザーのなかでも抵抗を示す人もいるという現状では、「従来モデルユーザーの切り捨てでは?」と受け止められても文句は言えないだろう。

 ただ、先進装備の積極採用やクルマとしての性能向上を否定するつもりはない。事実、セダンやツーリングでは1.2Lターボエンジン搭載車は6MTのみの設定となっていることなどもあり、そのような点もアピール効果が高かったようで、若年層がカローラシリーズに注目するケースが目立っているとのことである。全般的に見れば、トヨタが新型カローラシリーズで狙ったターゲットは確実に反応を示していることになる。

 ただ、もう少し“逃げ道”は用意してほしかった。その逃げ道が先代(11代目カローラアクシオ)の併売ということなのかもしれないが、そうではなく、あくまでも新型の中で完結する“逃げ道”(たとえばディスプレイオーディオのオプション設定など)が必要だったのではないかと考える。

小林敦志/フリー編集記者

小林敦志/フリー編集記者

1967年北海道生まれ。新車ディーラーのセールスマンを社会人スタートとし、その後新車購入情報誌編集長などを経て2011年よりフリーとなる。

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