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木下隆之「クルマ激辛定食」

アストンマーティン「ヴァンテージ」、相変わらず獰猛だが現代向けにしっかり調教されている

文=木下隆之/レーシングドライバー

アストンマーティン「ヴァンテージ」、相変わらず獰猛だが現代向けにしっかり調教されているの画像1

 アストンマーティンという英国の自動車ブランドに、どんなイメージを抱いているだろうか。スポーツカー、紳士のモデル、英国秘密情報部のジェームズ・ボンド、高級車……。そのすべてが正解である。高級スポーツカーメーカーであり、走りには熱い。ラインナップの基本構成はスポーツクーペであり、近年になって4ドアの「ラピード」を加えたものの、スタイルはドアの数が4枚になっただけのクーペだった。11月20日、SUV(スポーツ用多目的車)を投入するとアナウンスされたものの、それすらも走りへの強い欲求が滲み出ている。

 一方で、1000馬力オーバーのスーパーカー「ヴァルキリー」を発表。F1ではトップ3の一角を占めていながら、ル・マン24時間への挑戦を宣言した。スポーツ魂に関しては、徹頭徹尾、本気を貫くのである。

 そんな武闘派だから、走りも刺激に満ち溢れている。これまでのモデルの多くが、激辛の味付けである。エンジンは過激なパワーを持ち、何かが爆発したのではないかと疑いたくなるほどに炸裂させ、エキゾーストノートは獰猛な野獣のように吼える。あるいはタキシードに身を包んだジェームズ・ボンドのイメージから、爪を隠したいスポーツカーを想像しているのなら、それは誤解だろう。アストンマーティンというモデルは、獲物を求めて涎をたらす猛犬のように、あからさまに激しいのである。

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アストンマーティンHPより

 それが証拠になるだろうか。ピュアスポーツカーの代名詞「ヴァンテージ」に、マニュアルトランスミッションモデルが追加されたのだ。クラッチペダルを含めた3枚のペダルを備え、シフトレバーを操作する必要のある「3ペダルマニュアルトランスミッション」をラインナップに加えたのだから、開いた口が塞がらない。

 しかも、7段変速である。リバースギアが左前に刻まれており、左手前に引けば1速にエンゲージされる。つまり、前後に4列ずつ。合計8つのゲートを持つという稀有なマニュアルトランスミッションなのだから驚く。

 そもそも、エンジンが過激である。AMG製の4リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、最高出力510ps、最大トルク63.7kg-mを搾り出す。極低回転域から7000rpmオーバーまで澱みなく、パワーが炸裂する。試乗会が開催されたのは、ドイツ・ニュルブルクリンク近郊のカントリーロードから速度無制限のアウトバーンを巡る行程であり、そこでは300km/h近くに軽々と達する速さを披露している。それほどの高速型マシンなのに、シフトレバーを操作しながらの激しいワインディングドライブを求めるというのだから、まさにアストンマーティンの真骨頂であろう。

アストンマーティン「ヴァンテージ」、相変わらず獰猛だが現代向けにしっかり調教されているの画像3
アストンマーティンHPより

木下隆之/レーシングドライバー

木下隆之/レーシングドライバー

プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

Instagram:@kinoshita_takayuki_

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