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低迷する老舗雑誌をV字回復! 敏腕編集者のアイデアを生み出す“会議改革”

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※画像:『悩んでも10秒』(集英社刊)

 なかなかいいアイデアが出てこない。チームでブレストをしても発言が少ない。企画に落とし込めない。そんな悩みを抱えている人は少ないないだろう。

 メディアファクトリーでシリーズ300万部の『ダーリンは外国人』(小栗左多里著)などの編集を担当、2016年に低迷していた料理雑誌『レタスクラブ』の編集長に就任し、部数の大幅V字回復の旗手となった松田紀子さんは、自身の仕事術について「私がやってきたことは、さしたるテクニックはなく、今すぐにでも、誰でも始められそうなことばかり」と述べる。

 それは松田さんが培ってきた編集者としてのアイデアを生み出し、企画に落とし込むスキルが、どの業界においても共通しているということなのではないか。

 その仕事術を明かした11月26日発売の新刊『悩んでも10秒 考えすぎず、まず動く! 突破型編集者の仕事術』(集英社刊)は、全業界に通じる「編集力」の極意を公開した一冊だ。

 

■「会議改革」で編集部が活性化 部数の持ち直しを見せる

 2016年6月、松田さんは老舗料理雑誌『レタスクラブ』の編集長に就任する。そのミッションは「傾きかけた雑誌をコミックエッセイを投入して再生し、部数回復せよ。」というもの。

 当時、松田さんは料理をあまりしない、いわば「料理初心者」。そして、27歳からそれまでコミックエッセイ畑を歩んできたため、雑誌編集者としても経験が浅い。 しかし、こうした背景が大きく生きる。キーワードは「素人目線」だ。

 松田さんは『レタスクラブ』編集部で3つの改革を行った。

1つめが会議改革
2つめが誌面改革
3つめがチーム改革

 例えば「会議改革」では、誰もが素直に本音を言えるようにした。編集長就任当初の会議は、編集部員が持参した企画書をただ読み上げるだけで、コミュニケーションも何もなかった。「ヤバい」と思った松田さんは、あえて事前に企画書を用意しないというルールを設け、さらに自分の内職をはじめないようにパソコンの持ち込みを不可にした。

 他に、会議をしながらスタートを切るため「即検索、即アポ入れ」を実践。「分からない」「知らない」の大歓迎は、「わかりやすさと敷居の低さ」「料理が得意じゃないあなたも大丈夫」という新生『レタスクラブ』のコンセプトと合致した。また、自分の担当外のアイデアも出させた。

 何よりも、どんな発言に対しても、責めない、怒らない、バカにしない。「この場では何を言っても大丈夫」という雰囲気を作り出したのだ。

 その結果、2、3カ月も経つと会議室はにぎやかになり、いろんなメンバーが自分の意見を言う雰囲気ができていった。それに比例するように、部数もどんどん持ち直していったという。

 ◇

 これは松田流編集術の序の口の部分であり、ヒットを生むための仕事術がどんどん繰り出されていく。また、仕事に必要なコミュニケーションの取り方、求められる人になるための極意については、仕事をする人すべてに共通する項目だろう。

 出版不況、本離れと言われる中でもヒットを生み出している編集者がいる。その仕事術は多くの人に参考になるはずだ。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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