ライザップ、赤字転落で禁断の「利益かさ上げ」経営に回帰か…株式市場で取り沙汰

ライザップ(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 フィットネスジム「RIZAP」を運営するRIZAP GROUP(ライザップグループ/以下、ライザップG)は、フリーペーパーなどを発行する子会社のぱど(ジャスダック上場)を売却する。M&A仲介会社FUNDBOOK(東京・港区)を経営する畑野幸治氏が、TOB(株式公開買い付け)で67.56%の株式を所有するライザップGと、同社子会社でぱどの株式を5%所有する第3位株主のサンケイリビング新聞社(東京・千代田区)から全株式72.56%を取得する。ぱど株式の買付価格は1株170円。買付代金は24億6700万円。買付期間は11月7日から12月4日。成立すればライザップGに10億円の株式売却益が発生し、20年3月期の連結決算に計上する。

 ライザップGは2017年2月、ぱどの第三者割当増資10億円を引き受けて連結子会社に組み入れた。ぱどはフリーペーパーの草分け的存在。しかし、ネット広告に押され営業赤字が続いていた。20年3月期の業績見通しを下方修正。売上高を126億円から111億円、最終損益を6500万円の黒字から500万円の赤字とした。

 畑野氏は大学時代にインターネット広告事業を創業し、現在に至るまで2度のスタートアップを成功させ、その企業をいずれも売却している。FUNDBOOKによるM&A仲介事業は3度目のスタートアップとなるという。畑野氏は16年、インターネットを通じて買取から転売を行うネット型リユース会社BuySell Technologiesを設立した。17年3月、同社内にM&A事業部を新設。代表取締役だった畑野氏は「日本が直面する企業の後継者不足と事業継承問題を解決したい」という想いから事業を立ち上げたという。想定以上の反響があったことからBuySell社の全株式を売却し、同年8月にスピンアウトにより設立したFUNDBOOKの代表取締役CEOに就いた。

 今回、畑野氏は個人で、ぱどを買収する。同氏の狙い何か。今後、ライザップGとどう組むのかに関心が集まる。

今期は黒字に転換すると公約

「結果にコミットする」のキャッチフレーズで知られるライザップGの瀬戸健社長は、今年6月22日に開いた定時株主総会で、「今期赤字というのは絶対にありえない」と宣言した。合併・買収した子会社の業績が振るわず、19年3月期連結決算(国際会計基準)で193億円の赤字(前期は90億円の黒字)に転落した。当初の159億円の黒字予想から352億円も下振れした。

 そこで瀬戸氏は、1年で黒字化を達成するという結果にコミットできなかったら「社長を辞める」と大見得を切った。最初のハードルは19年4~9月期の連結決算だった。売上高にあたる売上収益は前年同期比2.5%増の1082億円、営業利益は27億円の黒字(前年同期は58億円の赤字)、最終損益は6600万円の赤字(同85億円の赤字)となった。同期間の最終赤字は2年連続である。

BusinessJournal編集部

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