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将棋人口1000万人に、空前のブーム…最多の10代の間で過熱、藤井聡太人気も後押しか

文=山田稔/ジャーナリスト
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 総務省の調査をみても、将棋の行動者数を年齢層別に見ると、10~14歳の61万1000人がもっとも多い。15~19歳も31万8000人いる。合わせると10代だけで92万9000人と全体の26%を占めているのだ。子ども人口が年々減り続ける状況にもかかわらず、将棋ブームの底辺を支えているのは、実は子どもたちなのである。

2494人の子どもたちが集まった「テーブルマークこども大会」

 11月17日、千葉市の幕張メッセで「将棋日本シリーズJTプロ公式戦」の決勝戦と「テーブルマークこども大会」が開催された。「テーブルマークこども大会」の参加者は小学校低学年1271人、高学年1223人の合計2494人。決勝に進んだのは、低学年の部が小1と小3の男児。高学年が小5と小6の男児だった。低学年は3年生、高学年は5年生が勝利した。いずれの対局も、ハイレベルな戦いぶり。解説を務めた中村太地七段も「レベルが高い」と感心していた。

 会場には子どもたちの保護者などを含め5876人が関東近県を中心に来場。子どもたちは長い机に互いに向きあうかたちで対局に臨み、真剣な表情で戦っていた。近くの子どもたちに話を聞くと「最初は二段の子に負けたけど、あとは全部勝ったよ」「僕は1勝しかできなかった」と、悲喜こもごも。こども大会の決勝戦を食い入るように見つめていた。

 同大会は、最近はプロ棋士の登竜門となっていて、過去には藤井聡太七段が11年度東海大会で優勝、菅井竜也七段は03年度岡山大会、04年度中国大会で優勝、斎藤慎太郎七段は02年度の岡山大会で優勝している。

 早い子は小学校入学前に将棋を覚え、将棋教室や各地で行われる大会で腕を磨いていく。そして、全国大会や大きな大会で優勝、準優勝といった好成績を収めた子たちがやがて奨励会に入会し、厳しい三段リーグを勝ち抜いて晴れて四段昇格を果たし、プロ入りする。

「東大に入るよりも難しい」といわれるプロ棋士を夢見て、今日も多くの子どもたちが全国各地で研鑽に励んでいる。

(文=山田稔/ジャーナリスト)

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