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腰痛、お尻をテニスボールでマッサージすると解消される?

文=ますだポム子/清談社
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「gettyimages」より

 日本人の国民病ともいわれる腰痛。マッサージなどで腰をもんでも、一時的には痛みが軽減するものの、しばらくすると元に戻ってしまうという経験がある人は少なくないだろう。実は、腰痛のなかには腰ではなくお尻の凝りが原因で痛みが生じているものもあり、その場合は患部の腰よりもお尻をもみほぐすことが大切なのだという。

 腰痛トレーニング研究所・さくら治療院の院長である川口陽海氏に、腰とお尻の関係性や、自宅や職場でできるお尻のほぐし方について聞いた。

腰とお尻の意外な関係

 一般社団法人日本健康倶楽部が2017年に行った調査によると、日本人の約8割が腰痛を経験したことがあるという。なかでも、デスクワークが主で長時間座りっぱなしのことが多いビジネスパーソンは腰痛を患いやすい傾向にあるそうだ。

「座り仕事で腰痛に悩まされている人は、お尻の凝りから腰痛を発症させている可能性がありますね」(川口さん)

 痛む部位そのものではなく、別の場所に痛みの原因があるとはどういうことなのだろうか。

「お尻の筋肉と腰の筋肉は共同で骨盤や腰を支え合っており、どちらか一方が凝り固まると、もう一方も凝り固まるという関係性にあります。座っているときは上半身の重みをお尻で受け止めて支えているので、お尻が凝りやすい。そして、お尻が凝ることで腰にまで痛みが生じるのです。そのため、お尻の凝りが腰痛の原因になっている人は、腰よりもお尻をもんであげることが根本的な改善につながります」(同)

 では、痛みの根本的な原因はどのように判別すればいいのだろうか。川口さんは「腰痛の原因がお尻の凝りなのかどうかは、腰の痛む場所によってある程度見分けることができます」と語る。

「腰の真ん中あたりが痛む場合は、骨盤や股関節を動かす中殿筋という筋肉が影響を及ぼしているケースが多いです。また、仙骨あたりやベルトをつけるラインが痛む場合はお尻の大殿筋が凝っている可能性が高い。それ以外の部位の痛みに悩まされている人は、痛みの原因そのものも腰にあると思います」(同)

 こうした痛みを生む原因となっている、疲れのたまった筋肉は「トリガーポイント」と呼ばれ、この部分と共同して働き合っている筋肉の周りに痛みが生じやすいという。つまり、お尻にトリガーポイントがある人は、関係している腰にまで痛みの症状が広がっているということなのだ。

「トリガーポイントが一カ所あると、その弱くなった筋肉をかばうためにほかの筋肉ががんばります。そうすると、痛みが連鎖して腰からお尻、お尻から足へと痛みが広がってしまう。そういう人はすごく多いです」(同)

テニスボールでお尻の凝りが簡単にほぐせる?

 腰痛や臀部の痛みを根本的に解決するにはペインクリニックでのブロック注射や整形外科での治療が効果的なようだが、もっと手軽に改善する方法はないのだろうか。

「運動をすることは腰痛の改善にも予防にもなるので良いですね。運動といっても激しいスポーツなどではなく、ピンポイントに狙ったマッサージやストレッチでもOKですよ」(同)

 とはいえ、腕や足と違い、お尻は自分でマッサージするのは難しい部位だ。そこで、川口さんが実際に患者さんにすすめている、ひとりでもできるテニスボールを使ったマッサージ法を説明してもらった。

「まず、仰向けに寝ます。次に、体の力を抜きながらお尻の下にテニスボールを入れ、“痛気持ちいい”くらいの場所を探します。そこがトリガーポイントです。見つかったら、そのポイントにテニスボールを当て、当てているお尻側の膝を立てます。そのまま足を体の外にゆっくり倒していくと、足の重みとテニスボールの硬さがトリガーポイントを刺激し、凝り固まった筋肉がほぐされていきますよ」(同)

 このマッサージを一カ所につき10~20秒行い、終わったら1センチずつ場所をずらしてお尻をほぐすと腰痛改善につながるという。長時間当てすぎると、かえって痛みを強めてしまうリスクもあるので、時間は厳守しよう。

「仕事中でも、背もたれのあるイスや、クルマの座席にテニスボールを置いて、同様の圧をかける方法でも凝りがほぐせます。さらに、イスを使用して太腿の裏にテニスボールを置いて、ゆっくりと膝から下の上げ下げを行うと、より効果的です」(同)

 長時間同じ姿勢でいれば、お尻のどこかの筋肉は凝り固まる。そのため、理想は30分に1回、少なくとも1時間に1回はほぐすのが最適だという。

 しかし、1時間ごとにテニスボールを取り出して横になるわけにもいかない。座ったまま、さらに道具も使わずにできる方法はないだろうか。

「ストレッチで筋肉を伸ばすだけでも、凝りがほぐせますよ。まず、イスに座り、片方の足の太腿に反対の足を乗せます。そのまま力を抜いて上半身をゆっくり前に倒すと、乗せているほうの足のお尻から腿裏の筋肉がストレッチされ、凝りが解消されていくんです。これも痛気持ちいいぐらいの強さを意識しながら、楽な呼吸で行ってください」(同)

 あまりにも筋肉が凝り固まっていたり張っていたりすると、「痛気持ちいい」を通り越して「痛い」が勝ってしまうが、どのマッサージもストレッチも、くれぐれも無理をせず、楽な呼吸で力を抜くことを意識しながら試してみてはいかがだろうか。

(文=ますだポム子/清談社)

清談社

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せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。
株式会社清談社

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