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有馬賢治「今さら聞けないマーケティング 基礎の基礎講座」

音楽フェスやライブが活況となっている経済学的理由…サービスの「創造財」と「仲介財」

解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季
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――この場合、どちらのほうが効率のいいビジネスといえるのでしょうか。

有馬 それはアーティストや時代によって違いますが、たとえば現代のアイドルビジネスでみると、アイドルに楽曲を提供するクリエイターはその曲の売上などで印税収入が得られる一方、アイドル自身は楽曲による一定の収入がありますが、グループの人数が多くなれば一人当たりの配分は小さな額になるでしょう。そう考えると、定期的にコンサートやイベントで集客することはグループを維持するために必要な活動と言えるでしょう。

 アイドルに限らず、昨今、音楽フェスが人気となり、音楽業界全体としてライブが活況なのも、CDや音楽データの売り上げが伸びない部分を補うために、アーティストが積極的にライブを企画したり参加したりしているという背景もあるでしょう。

――プロ野球も放映権ではなく、チケットの収益やグッズ売上で各球団が採算を立てているのも同様の流れと言えそうです。

有馬 そうですね。ただ創造財全体が不調というわけではなく、私はむしろ逆だと感じています。作品を発表できるSNSも一般的になってきて、小説、絵画、音楽に限らずクリエイティブな作品にはプロ、アマ問わず対価が支払われる時代になっています。賃金に満足できない就労者も少なくなく、新しい働き方が求められる昨今、副業を認める企業もだんだんと増えてきました。今後、現代的ビジネスパーソンのライフスタイルとして、趣味を生かした創造的な活動で収入源を確保していくことがスタンダードとなる日も近いのではないでしょうか。

――ありがとうございました。

(解説=有馬賢治/立教大学経営学部教授、構成=武松佑季)

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