――現在、アニメは製作委員会方式により各社が出資して制作されるケースが多いですね。

飯島 テレビ局やビデオ会社はもとより、出版社やレコード会社、商社、広告代理店、映画会社、おもちゃ会社、元請アニメ制作会社などが出資し、制作会社に依頼します。製作委員会と制作会社は元請けと下請けの関係。当然、元請けとしては制作費の安い制作会社に委託したい。一方、仕事がほしい制作会社は安値受注に走るケースが増えており、これが現場の疲弊につながっている側面もあります。

 アニメ業界の著名人も、こうしたアニメ業界の現状に強く警鐘を鳴らしています。『新世紀エヴァンゲリオン』などで知られる庵野秀明監督は「このままではアニメ制作会社はダメになる」と発言。ヒット作品を多数生み出す庵野監督の言及は多くの注目を集めました。こうした動きもあって、製作委員会側が制作単価を上げる動きもありますが、出資する関係者すべての同意がないと制作費を値上げすることはできない事情もあり、簡単に解決する問題ではないのです。

――アニメ制作会社の数は増えているようですね。

飯島 19年7月時点で256社で、そのうち00年以降に設立された新興系企業は154社と全体の6割を占めています。独立しやすい業界事情もあり、乱立状態といえます。しかし、今は人件費が高騰しているため、十分な利益を上げるのは容易ではありません。劇場版アニメ『虐殺器官』を制作していたマングローブは15年11月に東京地裁から破産手続開始の決定を受けましたが、自転車操業を続けた挙げ句に資金繰りに窮してしまったようです。

――今回の調査では、倒産の多さもトピックになっています。

飯島 18年は倒産が6社、休廃業・解散5社で合計11社となり、10年(8社)を上回って過去最多を更新しました。代表例として、『いなり、こんこん、恋いろは。』『ハイスクール・フリート』などを制作していたプロダクションアイムズ、『クリオネの灯り』などを制作していたdropなどが挙げられます。請負単価の低下などで収入高が減少したほか、人材不足で人件費が高騰したり下請業者などへの支払いが増大したりして、資金繰りに行き詰まるケースが目立ちます。

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