
6日、麻薬取締法違反の疑いで起訴された女優の沢尻エリカが、20日間の勾留期間を経て保釈された。多くのマスコミがその表情をとらえようと東京湾岸警察署前に集まったが、人目を避けるように裏口からカーテン付きの車で出たため、どのマスコミも沢尻の姿をとらえることはなった。
最近の傾向として、芸能人が犯罪を犯すと所属事務所は即時に契約を解除するケースが多いが、沢尻が業務提携というかたちで事実上所属しているエイベックス・マネジメントは、沢尻との契約をしていない。それどころか、6日には同社は「本人を更生するための支援をいたします」というコメントを発表している。
「保釈日の前からマスコミ各社はエイベックスにコンタクトを取っていましたが、事前に『(映像も写真も)撮らせません』と言われていました。いくら初犯とはいえ、10年以上前から違法薬物を使用していることが明らかになった所属タレントを、解雇するどころか手厚過ぎる支援をするというのは、不可解です」(スポーツ紙記者)
エイベックスといえば、2008年に元音楽プロデューサーの小室哲哉が約5億円の詐欺容疑で逮捕・起訴された際も、エイベックスの松浦会長と千葉龍平副社長(当時)などが保釈金や損害賠償金などの支払いのため約6億円を貸したといわれている。
「小室といえば、安室奈美恵やTRF、篠原涼子など“小室ファミリー”を抱える大ヒットメーカーとして、エイベックスの成長に大きく貢献したという功績があるだけに、松浦会長らが支援に乗り出すというのは納得できる部分もある。
一方、沢尻は2007年に主演映画の舞台挨拶で『別に』発言を繰り返し、09年には当時所属していた大手事務所から契約を解除され、一時は芸能界を干された状況に陥っていたところ、11年にエイベックスが手を差し伸べるかたちで沢尻と業務提携契約を結びました。そんな沢尻を、エイベックスがわざわざ支援する理由とはいったいなんなのか」(週刊誌記者)
まだ稼げる可能性は十分にある?
その裏には、エイベックスのしたたかな考えがあると、芸能事務所関係者はいう。
「すでに撮影が始まっていたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の分も含めて、今回の沢尻逮捕でエイベックスにのしかかる違約金や賠償金は10億円に上るともいわれていますが、事務所としてはなんとか沢尻を自分のところで“生かして”、稼いでその金を返してもらわないといけない。もしクビにしてしまったら、それで終わりですからね。
沢尻は女優として終わったと思われがちですが、仮に日本では難しいとしても、かつて覚せい剤使用で有罪判決を受けた酒井法子が良い例のように、中国や韓国などアジア圏で活躍できる可能性は十分にある。沢尻主演の連続テレビドラマ『1リットルの涙』(フジテレビ系)が韓国のドラマ専門ケーブルテレビチャンネルで放映されるなどして、ファンは多い。事務所は先の先まで見越して、いきなりクビにはしないんですよ」
「表からは見えませんが、エイベックスのビジネスにおいて、沢尻はある重要な仕事を担っており、沢尻を手放すことができない」(テレビ局関係者)という声も聞かれるが、罪を償った後は、末永くエイベックスに奉仕する日々が待ち受けていそうだ。
(文=編集部)