宝くじほど割に合わないギャンブルはない…競馬やパチンコより圧倒的に高い「控除率」の画像1
西新宿の宝くじ売り場(「Wikipedia」より/江戸村のとくぞう)

 令和初となる「年末ジャンボ宝くじ」の季節がやってきた。1等の賞金が7億円、1等の前後賞が各1億5000万円で最高10億円の夢が見られるとあり、今年もあちこちの売り場で行列ができている。

 全国でも有数の販売枚数を誇る西銀座チャンスセンターに買いに行く人、発売開始日に朝一番で並ぶ人、仲間と共同購入する人など、多くの人が一獲千金を狙っている。

 そんな人たちの熱気を冷ますようで恐縮だが、宝くじとはギャンブルである。そして、ギャンブルは確率論と切っても切り離せない。そもそも、宝くじの高額当選確率は天文学的な数字であり、もっとも勝ちにくいギャンブルといえるのだ。

1等が当たる確率は0.000005%

 今年の年末ジャンボにおける1等7億円の当選確率は「2000万分の1」(1枚当たり)、百分率にして0.000005%である。わかりやすく言えば、「2000万個のボールが入った箱から、ひとつしかない当たりボールを拾う」のと同じである。言い換えれば、1万個のボールが入った箱が全部で2000個もあり、その中からひとつの当たりボールを探すわけだ。

 3等100万円の当選確率は「20万分の1」で、1万個のボールが入った箱は2000個から20個に減る。10枚買えば箱は2個にまで減るが、それでもまだボールの総数は2万個もある。100枚買っても、ボールは2000個だ。2000個の中からひとつの当たりボールを一発で当てるだけでも奇跡である。そのボールが2000万個もあるのが、1等7億円なのである。

 もうひとつ、ギャンブルの勝率に関係してくるのが「控除率」だ。これは、賭けに対して取られる手数料の割合を示すものである。

 競馬を例にすると、控除率は(券種にもよるが)約25%だ。1000円の馬券を購入すると、250円がレース賞金や開催経費=JRAの取り分となり、残り750円を「参加者全員で奪い合う」ことになる。出走全馬の単勝を長期間にわたり買い続けた場合、単勝馬券の控除率20%が差し引かれ、投入金額の80%が戻ってくることになる。つまり、20%の損となるわけだ。

 もちろん、こんな買い方をする人はいないが、この論理で宝くじを考えた場合、1等と前後賞あわせて10億円が「ほぼ当たる」状態にするには、総額で20億円以上の投資が必要となる。

 なぜなら、宝くじの控除率は約53%にものぼるからだ。仮に10万円購入した場合、発行元である自治体や販売するみずほ銀行の取り分は5万3000円となり、残りの4万7000円を購入者全員で奪い合うことになる。基本的に、控除率が高いほど勝率は低くなる。控除率は競馬を含む公営ギャンブルが25%で、パチンコは10%前後、カジノは5%ほどといわれる。主催者の取り分を考えれば、宝くじほど割に合わないギャンブルはないのだ。

当選確率はどこで買っても変わらない?

 筆者は昨年、高齢の叔母を乗せて西銀座チャンスセンターまでクルマを走らせた。叔母は、年末ジャンボを10万円購入するというのだ。「なんで西銀座まで行くのか?」と聞くと、「当たりが多いから」と答えた。それ以上ツッコまずにいたが、「当たりが多いということは販売枚数も多い」わけで、実際は「地元で買っても西銀座で買っても、当選確率は変わらない」ことになる(1ユニット<1000万枚>を販売していれば必ず当たりは出る)。

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