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豊洲市場の寿司屋に、外国人観光客が殺到…世界一美味いマグロを“並ばずに”楽しむ方法

文=明石昇二郎/ルポライター
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大和寿司の大トロ(撮影=武藤誠)

 これが、豊洲を代表する魚が「マグロ」であるゆえんである。なかでも最高級とされるのは、凍結させていない生の本マグロ。その生本マグロの競りは朝5時半開始だ。100kgを超す大物の本マグロは、開始からものの10分ほどで次々と競り落とされていく。

 帝国ホテルや銀座の高級寿司店「久兵衛」などに最上級の天然本マグロを納める仲卸「やま幸(ゆき)」を取材した。年明け最初の「初競り」で最高値の本マグロを競り落とす常連である。同社社長の山口幸隆さんがこの日、競り落としたのは、112kgもある千葉県勝浦産の本マグロ。旋網(まきあみ)漁で獲った最高級品だ。最も脂がのった部位「腹上」(はらかみ)のブロックなら、仕入れ値で10万円はする。「高価なマグロが撮りたいの? それとも美味いマグロ?」と、山口社長に聞かれ、「もちろん『美味いマグロ』です」と答える。「じゃあ、これだ」というわけで、この日、大和寿司に届けられるマグロが決まった。

 暖簾に向かって右側が父・入野信一さんが握る店。左側が長男の若旦那・成広さんが握る“親子寿司屋”である。席はそれぞれ12席ずつ。午前5時30分の開店と同時に客が暖簾をくぐり、7時ともなれば店の前に行列ができ始める。

 市場内専用の三輪自動車「ターレー」に載せられ、やま幸を出発した腹上ブロックは、競り落とされてから2時間後には大和寿司に到着。同店の社長兼“仕入担当部長”で次男の光広さんが、到着したばかりの腹上ブロックから手際よく柵取り(さくどり)をしていく。「ウチで握る本マグロの大トロは、脂がのった『腹上』のみです」と、光広さんは言い切る。この日は勝浦産本マグロとともに、千葉県銚子産本マグロの「カマトロ」も登場。こちらは延縄(はえなわ)漁で獲った110kgの本マグロである。カマトロの脂は上品な霜降。1本からほんの数カン分しか取れない希少部位だ。

「縄(延縄漁)で獲ったマグロは身が締まっていて“ゴリッ”としているのに対して、網(旋網漁)で獲ったマグロは甘くて柔らか。お客さんによって好みはあるけど、ウチでは網がお勧めかな」(光広さん)

 ひと月のうちの数日はブランドマグロの「大間のマグロ」もお目見えする。ありつけるかどうかはあなたの運次第。どうしても食べたければ、足繁く通うほかない。築地から豊洲に市場が移転してから、はや1年。「世界一美味いマグロ」の味は今も健在だった。

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