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黒川智生の「アパレル、あばれる」

中国企業幹部が東京を視察して鋭く指摘した“日本のアパレル”の本質的課題とヒント

文=黒川智生/VMIパートナーズ合同会社代表社員
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ある日の夕方

 座学の後は地下鉄日比谷線で銀座へ。中国から来る視察団の多くは、1日バスを貸し切って移動するケースが多い。人数の関係もあるが、普段から自動車での移動に慣れていることがある。しかし、P集団は公共交通機関を使う。「そこにいる人々が実際にどう生活しているか、足を使って感じなさい」というのが、ブランド総裁の意見だからだ。形式的な企業訪問も嫌い、あくまで生活者の視点を重視している。

 銀座に着いて、日本出自ブランド(無印良品やあるミセス向けブランドなど)を見た後でたどり着いたのが、ドーバーストリートマーケットGinza(DSM Ginza)だった。

DSM Ginzaのホームページより

 この店舗は、コムデギャルソンの川久保玲が仕掛けるコンセプトショップであり、2004年にロンドンにある高級住宅街メイフェアのドーバーストリート沿いにつくられたのが、その名前の由来である。それは「美しいカオス」とも表現される無二の存在である。中国のファッション関係者にも知られ、今回東京に来た彼らが一番見たかった場所でもあるという。

「北京にも昨年オープンしただろう?」と彼らに質問すると、「東京のDSMを見たい。川久保玲は東京から世界へ活躍するデザイナーであり、その視点を吸収したい」ということだった。唯一無二であることや“東京独自”の事情が、彼らの好奇心を刺激しているのだろう。入口で別れた後、近くのGINZA SIXを含めて多くの時間を費やしたことは、いうまでもない。

そこでしか感じられない体験とは?

 座学や視察の後は、やはり味わいに関心が向く。これは万国共通。「どこかお薦めの居酒屋はありませんか?」の問いかけに、神田駅付近の大衆居酒屋をアテンドした。

筆者撮影

 厦門という海が近い地域に活動拠点がある彼らは、海鮮物にも慣れており、焼き物を注文した後はその内容を友人たちとシェアするためにスマホでのSNS投稿に集中。これもみな同じである。

 お楽しみの時だったが、「日本の百貨店にある中級クラスのブランドや商品をどう感じる?」と余計な質問を投げかけてみた。

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