六代目山口組系組員が山健組に襲撃され、乗用車が店舗に突っ込む…緊迫感は最高潮にの画像1
襲撃現場で取り押さえられる吉武容疑者

 神戸山口組の屋台骨を担う組織といえば、五代目山健組である。殺人未遂容疑などで逮捕された中田浩司組長が不在のなか、14日に開催された会合で五代目山健組が掲げた令和2年度の組指針は、「敢為邁往(かんいまいおう)」であった。目的に向かって困難をものともせず自ら思い切って、まっしぐらに進んで行くこと、という意味である。

 それは、六代目山口組サイドからの猛攻、当局からの徹底した取り締まりなどがあっても、自分たちはなおも戦い続けるという意志の表れかもしれない。そんななか、事件はこの組指針が発表された2日後に起きたのである。

 12月16日、六代目山口組の中核組織、三代目弘道会系三代目米川組幹部組員が、同組事務所付近のパーキングで精算中のところ、背後から五代目山健組系六代目健竜会の吉武徹弥組員が刃物を持って襲い掛かったのだ。

 「ただし、襲い掛かった際、その刃物が折れてしまい、幹部組員が防戦。揉み合いになっているところ、後からすぐに来た米川組組員2人などに吉武容疑者は取り押さえられたようです。その際の映像はSNSなどですぐさま拡散され、一部のメディアでも流されました。襲撃は未遂に終わり、幸いにも大きな被害を生みませんでした」(報道関係者)

 確かにこの事件は未遂に終わった。だが、神戸山口組五代目山健組はまだ諦めていないという意思表示にはなったのではないだろうか。事態はそこからさらに一時、緊迫化するのである。なぜならば事件後すぐに、同じ界隈にある飲食店に乗用車が突っ込んだからである。

 「偶然にしてはできすぎている。同時襲撃を狙っての犯行ではないかと緊張が走りました。米川組幹部組員が襲撃されたのは19時半ごろで、通行人の女性から、車が店に突っ込んだと110番通報があったのは、19時50分です。直後にSNSによってこの飲食店は米川組と関係しているのではないかという噂が広まり、同時襲撃だったのではないかと業界関係者たちがざわつき始めました。しかもこの事件では、軽傷ながら一般人2人が被害に遭っています。ついに一般市民を巻き込んだ抗争に発展してしまったのかと緊迫しましたが、幹部組員襲撃とこの事故は、のちの捜査で無関係とわかりました」(地元記者)

 ただし、偶発的に起きた事故がすぐに抗争事件とリンクさせられてしまうほど、緊迫感は最高潮に達しており、そして、神戸山口組系組員が六代目山口組系組員を刃物で襲撃しようとしたという事実は間違いなく存在している。気になるのは六代目山口組側の反応だ。ある業界関係者は、このように話す。

 「髙山清司若頭復帰後、六代目山口組側は相次いで神戸山口組の幹部を襲撃し、ヤクザに対する法律がどれだけ厳罰化されようと、暴力をもってしても分裂騒動を決着させるというイメージを作り上げだ。ゆえに、今回の事件に対する報復が起きてもおかしくない印象も生まれている。ただ今回の事件では、襲撃は未遂に終わっている。それに対して、六代目山口組が過激な報復を行うだろうかという見方もある。どちらにしても、いつ何が起きたとしてもおかしくない状況であることには変わりない。そして、事件はいつも突然起きる」

 六代目山口組が分裂して5年目を迎えている。当初、「この分裂は抗争にはならない」「警察当局のヤクザに対する締め付けが強まる中、暴力で解決しようなどという手段は取りたくても取れない」などと指摘する声が多かった。だがしかし、当局がいよいよ特定抗争指定暴力団に指定しようとしているように、ここに来て両組織の対立は、文字通り、抗争状態を呈している。

(文=沖田臥竜/作家)

●沖田臥竜(おきた・がりょう)
2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、『山口組分裂「六神抗」』365日の全内幕』(宝島社)などに寄稿。以降、テレビ、雑誌などで、山口組関連や反社会的勢力が関係したニュースなどのコメンテーターとして解説することも多い。著書に『生野が生んだスーパースター 文政』『2年目の再分裂 「任侠団体山口組」の野望』(共にサイゾー)など。最新刊は、元山口組顧問弁護士・山之内幸夫氏との共著『山口組の「光と影」』(サイゾー)。

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