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田中圭太郎「現場からの視点」

桜美林大学、英語授業外注化を一方的に通知、詳細説明せず…外国人講師との団体交渉拒否

文=田中圭太郎/ジャーナリスト
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 ところが、この日の団交で大学は、芸術文化学群の英語科目を2020年から外注化するとの通知は「間違い」だったとして、事実上通知を撤回した。その一方で、芸術文化学群の執行部で決まっていたのは、2020年からではなく、2021年からの外注化だったと説明した。

 これに対して組合側は、外注化による授業全体の丸投げは違法性が疑われることから、外注化に伴う講師の解雇や雇い止め、授業のコマ数の減少は到底許されないと主張。多くの講師が無期雇用化されていることから、無期雇用の非常勤講師の解雇や収入の減少を避けることは、法令上の義務だと指摘した。

外注化でも解雇や雇い止めを行わないよう努力すると約束

 仮に桜美林大学が、芸術文化学部の英語の授業72コマをすべて外注化する場合、約20人の非常勤講師が解雇や雇い止めされる可能性がある。組合側は団体交渉の席で、大学教育の改革については、現場で教壇に立っている教員の意見を踏まえて検討を進め、講師とも話し合うべきだとして説明を求めた。

 組合によると、大学側はこの団体交渉でいくつかの約束をしたという。一つは、2021年に外注化をする場合でも、雇い止めや授業のコマ数の減少など、団体交渉の事案が発生しないよう努力すること。あわせて、72コマをすべて外注化するのではなく、最初は20%を対象とするなど徐々に行ってはどうかという組合側からの提案に対しても、検討すると約束した。

 一方で大学は、グローバル・コミュニケーション学群については、2020年から英語科目の半数程度を外注化するが、職場転換や退職による非常勤講師の自然減により、解雇や雇い止めなどの影響はないとの見通しを示した。危惧された非常勤講師の大量解雇は、とりあえず回避されたかたちとなった。

2021年の外注化については大学は語らず

 桜美林大学からは、11月19日付で学内教職員向けに配布されたとみられる「本学の教育改革について〜英語教育に関する考え方と教育体制〜」という資料が筆者の元に届いている。この資料には、外注化によって解雇や雇い止めの懸念があると報道されたことに対して、次のように記している。

「本学は、領域が異なる学群ごとの人材育成の目的に合致する形で開発した英語教育を提供することが最適であるという考え方ですので、専任教員の専門科目の担当、非常勤教員の専門科目や選択科目の担当、そして、プロフェッショナルをはじめとする特別な目的のために専門業者等との共同で開発した英語のプログラムの導入など、多様な形で教育を展開しています。単なる外注ではありませんし、外部評価も受けていますので違法行為等はありません。また、これまで通り、非常勤の先生がたとの契約の更新や科目担当のお願い、無期転換等についても、変化する教育環境や実際の現場の状況、カリキュラムの改編等をお互いに共有しながら、大学及び法人で真摯に進めていきます」

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