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田中圭太郎「現場からの視点」

桜美林大学、英語授業外注化を一方的に通知、詳細説明せず…外国人講師との団体交渉拒否

文=田中圭太郎/ジャーナリスト
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 ただ、この資料には、芸術文化学群の英語外注化が2020年導入は「間違い」で、実施は2021年からといった点については触れていない。桜美林大学の広報に外注化の計画も含めて問い合わせたが、「ご質問には回答いたしません」と返事が返ってきた。

外国人講師との団体交渉は開かれないまま

 大学側は「違法行為等はない」と説明しているが、その点をはっきりさせるためには、今後さらなる説明が必要と考えられる。首都圏大学非常勤講師組合では今後も団体交渉の開催を要求して、2021年の外注化導入についての具体的な交渉を求めていくという。

 一方で、2組合による労働委員会の救済申し立てについては、現時点においては継続している。その理由は大学側が、自ら設定したルールに従わない場合は団体交渉を開かないという姿勢を崩していないからだ。

 大学が求めるルールは、2つの組合に対して、団体交渉に出席する人数を5人までに制限するよう求めていること。それに、外国人講師が所属する全国一般東京ゼネラルユニオンとの団体交渉については、日本語でしか交渉しないことなどだ。あくまでルールの問題と捉えている大学側は、取材に対して「本件の団体交渉実施に関して、一度も団体交渉を拒否した事実は一切ございません」と主張している。

 大学側のこの姿勢に対し、ユニオン側は反発している。日本語でなければ団体交渉に応じないというケースは、以前東京学芸大学でも起きて、ユニオンからの救済申し立てを受けた東京都労働委員会が2016年に不当労働行為と認定したことがあるからだ。

 このため、ユニオンと大学の団体交渉は、年内に開かれる見通しは立っていない。ユニオンは「大学側は一方的にルールを設定しているが、大学にそのような権利はない。労働委員会への申し立てを通して、早期の団体交渉を実現したい」と話している。ユニオンの関係者は、授業の外注化が2021年に延期されたのかどうかも、大学からは直接聞いていない。

 今回の問題は、英語授業の外注化について、大学が十分な説明をしていないことに端を発している。説明しなかったために、非常勤講師の雇用に大きな影響を及ぼすのではないかと講師に疑念が広がった。大学は今後どのように外注化を進めていくのか、十分な説明が必要ではないだろうか。

(文=田中圭太郎/ジャーナリスト)

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