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日本郵政、混乱の元凶は菅官房長官だった…“影のトップ”鈴木副社長の子分が新トップ就任

文=編集部
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6、8、12のミステリー

 辞任会見で長門氏は「お国に貢献するどころか、迷惑をかけてしまい断腸の思いだ」と述べた。「お国」に謝る前に、郵便局を信用して生命保険を購入して騙された国民に謝罪すべきではなかったのか。この会見のハイライトは6、8、12の数字である。

「いつ辞任を決断したのか」との質問に長門氏は「8月の上旬には責任を取らなければならないと覚悟したが、調査や再発防止策などについて出す前に辞めるわけにいかないと思った」と語った。日本郵政幹部と総務省幹部は、「長門社長は2人を切って自分だけ生き残る道をずっと探っていた。つい最近まで総務省も『長門は留任(続投)』のシナリオだった」と語る。

 かんぽ生命社長の植平氏は「6月の末に報道されて以降、常に頭の中にあった。調査のメドが立ち退任の決断をした」と語った。辞任が確定していた植平氏は、早い段階で自分の首を洗っていたことになる。数字は6だ。

 興味深いのは横山・日本郵便社長の「顧客の不利益の解決をまずやってきた。12月くらいから辞任というけじめを意識した」という発言だ。数字は12である。年末まで辞める気はなかったということだ。

 郵便局長で構成する全国郵便局長会(全特)や自民党郵政族の多くは、「郵便局という現場を持つ日本郵便の社長だけは簡単に替えられない」と主張しつつ、「長門氏の後任に横山氏を昇格させる」策を秘かに練っていた。日本郵政の鈴木副社長への情報漏洩が発覚するまで、このシナリオは生きていた。だから12という数字をあげたのだ。横山氏は最後まで「郵便社長留任。あわよくば、日本郵政社長に昇格。グループのトップに立つ」ことを思い描いていたという声もある。

 郵政事業は2007年に民営化した。経営幹部の多くは官僚OB。日本郵政グループでは「生え抜き」と呼ばれているが、官僚の血が色濃く流れ、民間人ではない。民間金融機関出身の3人のトップは意思疎通もままならなかったが、そろって引責辞任に追い込まれた。

 建設省出身の増田氏をはじめ、官僚出身の3人の新トップに42万人の郵政グループの従業員の運命が託されることになる。「自らの経営力の不足」を最後の最後になって認めた長門氏が「(かんぽ不正販売の)全件調査は一人残らず、最後の一円になるまで必ず対応する」と誓っても、誰も信用しない。

 一方、ゆうちょ銀行の池田憲人社長は横浜銀行の出身。足利銀行(常陽銀行と経営統合して、めぶきフィナンシャルグループ)の頭取を務めた。「バンカーとしては優秀で、長門氏などとは人種が違う」と金融マンは評価している。

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