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ミドルエッジ「懐かしい! をお送りします」

「ソープランド」は公募で決定?「ルンルン風呂」「ラブユ」などボツになった名前も秀逸

文・構成=ミドルエッジ
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※参考画像:『ソープランドでボーイをしていました 1』KADOKAWA(amazonより)

 あなたにとって「懐かしい」とはどんな情景でしょうか? 1970~90年代の「懐かしい」を集めたのが「ミドルエッジ」。あなたの記憶をくすぐる「懐かしい」から厳選した記事をお届けします。

 今回のテーマは、「ソープランド」。その歴史から、1984年に「ソープランド」に名称変更された経緯、さらにはボツになった新名称候補案を振り返っていきます。

そもそも、「トルコ風呂」とはなんだったのか?

※参考画像:『日本売春史―遊行女婦からソープランドまで』新潮選書(amazonより)

 今の若い世代にとって「トルコ」といえば、中東の親日国ですが、おじさま世代の中には、「トルコ=性風俗」と連想する人も多いことでしょう。

 そもそも「トルコ」と略された「トルコ風呂」は、その名の通りトルコ風の浴場を指す言葉です。トルコを含むイスラム圏では伝統的公衆浴場のことを“ハンマーム”と呼び、日本の銭湯のように古くから親しまれてきました。もちろん、本来は性的サービスを行う場所ではありません。

 ところが西洋では「東洋=神秘的」という先入観が強くありました。さらに女性たちがベールで顔を隠し、浴場へ赴くというスタイルが、セクシャルなイメージを喚起させます。そこから、トルコ式浴場が性的サービスを行う施設として定着。18世紀後半には、イギリス・ロンドンに30近くのトルコ式浴場が作られ、その多くが売春宿だったといいます。

トルコ人留学生の抗議により名称が撤廃

※参考画像:『小池百合子写真集 YURiKO KOiKE 1992-2017』 双葉社(amazonより)

 日本へもそうした「曲解されたトルコ風呂」が輸入されます。トルコ風呂の元祖とされるのが、1951年に東京・銀座に建てられた個室付き浴場「東京温泉」です。もともとは女性従業員が性的でないマッサージや垢すりなどを行うことがウリでした。しかし、次第に「おスペ」と呼ばれるハンドサービスが人気を獲得。そこからトルコ風呂は男性の欲求を満たす場として全国各地に広がり、いつしか「トルコ」は性風俗店を指す隠語になったのでした。

 転機が訪れたのは1984年。東京大学で学ぶトルコ人留学生、ヌスレット・サンジャクリさんは、自分の母国が性風俗店を示す名称であることにショックを受けます。そして、当時ジャーナリストだった現東京都知事・小池百合子の協力を受けて、改称運動に乗り出し、結果として「トルコ風呂」という名称は撤廃されることになりました。

新名称候補は数多く挙がるも……

 こうしてトルコの名誉は守られたわけですが、新名称は一体どうなるのか。そこで、東京都特殊浴場協会は良案を求めて一般公募を開始。

 寄せられた案の中には、「トルコ」を逆さまにしただけの「コルト」や、来店時の高揚感を表現した「ルンルン風呂」、LOVEのある湯=「ラブユ」などがありました。ほかにも都会のオアシスを想起させる「オアシス」、イタリアの名作映画を思わせる「ニューパラダイス」など、多種多様なアイデアがズラリ。結果、2200通以上のなかから「ソープランド」が選出され、同時に「トルコ嬢」は「ソープ嬢」へと肩書を変えることになったのでした。

 この連載では次回以降も皆さまの脳裏に「懐かしい」が蘇りそうな記事を提供して参ります。「こんな記事は?」「あのネタは?」なんてお声も、ぜひお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

(文・構成=ミドルエッジ)

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