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木下隆之「クルマ激辛定食」

トヨタ「GRスポーツ」にSUV「C-HR」…衝撃の走り、全貌を詳細レポート

文=木下隆之/レーシングドライバー
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トヨタ「C-HR GRスポーツ」

 トヨタ自動車の「C-HR」がマイナーチェンジを施されて登場したのを機に、興味深いモデルが姿を現した。このところ積極的にバリエーションを増やしている「GRスポーツ」シリーズに、C-HRバージョンを追加したのである。

 GRスポーツは、一般市販車ではちょっと物足りないというユーザーのために、ささやかなドレスアップを施すと同時に、走りのスポーツ性能をわずかに引き上げたモデルのことだ。サーキットを攻め込みたくなるような激辛な走り味ではなく、日常の片隅にある小さなスポーツ心をくすぐるようなライトな仕様なのが特徴である。

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 これによって、GRスホーツのラインナップは11モデルになった。「ノア」や「ボクシー」といったミニバンもラインナップ。エコカーも充実していて、「プリウス」や「アクア」は定番となっている。C-HRの追加によって、「ハリアー」だけだったSUV(スポーツ用多目的車)構成が充実した。

 C-HRのGRスポーツには、2タイプのエンジンが設定される。116psを発揮する1.2リッターターボエンジンと、エンジンとモーターの出力合計170psの1.8リッターハイブリッドがラインナップ。特徴的なのは、1.2リッターエンジンには6速マニュアルが組み合わされることだ。トヨタのハイブリッド仕様にマニュアルは合体できない。

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 内外観には、「GRバッヂ」が、これでもかといわんばかりに散りばめられている。ステアリング、メーター、ドア、エンブレム、フロアマット、イグニッションキー……。オプションも含めれば、ちょっと照れくさいほどの“GR祭り”である。

 走りのフィーリング変化は想像以上だった。駐車場の敷地内を数往復しただけなので、深いところまで感じることは不可能だったが、さらりと走った範囲での報告で許していただけるのであれば、なかなか好感触である。

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 サスペンション系は、コイルスプリングとダンパーをチューニング、クルマの傾きを制御するスタビライザーも専用に開発。さらには、電動パワーステアリングにも手を入れているという。

 特に効果的なのだろうと予想できるのは、タイヤの変更である。ノーマルが225/50R18インチなのに対してGRスポーツは、225/45R19インチにサイズアップされている。幅には違いがないが、扁平率が下がったことでハンドリングがシャープになった可能性が高い。

 タイヤ銘柄もアドバン・フレバに変更した。環境性よりも、軽快なハンドリングにこだわりのあるタイヤが組み合わされるのだ。敷地内の往復でも軽快感が意識できたのは、タイヤの功績なのかもしれない。

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 それにしても、GRというブランドは稀有な存在である。試乗会の冒頭で、FIA世界耐久選手権(WEC)第3戦の「上海4時間レース」を戦う純血レーシングマシンの「TS050 HYBRID」の燃費が昨年比で37.5%低下したと報告した。それと「C-HR GRスポーツ」は、無関係とまでは言わないものの大きな隔たりがあるにもかかわらず、そう語ったのである。

 C-HR GRスポーツは、エンジンには手を入れていない。「TS050」と同様にハイブリッドとはいえ、まったく別ものである。だが、担当者が上海戦の成績を持ち出すほどに、GR開発メンバーの魂はモータースポーツにあるのかもしれない。

 決して武闘派ではなく、ライトなスポーツフィールのC-HR GRスポーツが、ちょっと頼もしく思えた。
(文=木下隆之/レーシングドライバー)

●木下隆之
プロレーシングドライバー、レーシングチームプリンシパル、クリエイティブディレクター、文筆業、自動車評論家、日本カーオブザイヤー選考委員、日本ボートオブザイヤー選考委員、日本自動車ジャーナリスト協会会員 「木下隆之のクルマ三昧」「木下隆之の試乗スケッチ」(いずれも産経新聞社)、「木下隆之のクルマ・スキ・トモニ」(TOYOTA GAZOO RACING)、「木下隆之のR’s百景」「木下隆之のハビタブルゾーン」(いずれも交通タイムス社)、「木下隆之の人生いつでもREDZONE」(ネコ・パブリッシング)など連載を多数抱える。

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