まずは日本マクドナルドを見てみよう。マクドナルドは14年7月に発覚した鶏肉期限切れの問題を受けて、深刻な客離れが起きた。前年同月比で20%超のマイナスになる月もあった。その後、長らく客数減が続き、プラスに転じるのに1年半ほどかかった。くら寿司の客数がプラスに転じるようになるのは、少なくともこれくらいの時間が必要だろう。

 もちろん、くら寿司とマクドナルドでは状況が異なるので、同様に推移するとは限らない。問題の深刻さの度合いは、くら寿司のほうがマシだろう。ただ、くら寿司はマクドナルドよりも規模が小さく、ブランド力もマクドナルドほどではないので、立ち直るために必要な力はくら寿司のほうが小さいといえそうだ。

 だが、くら寿司の場合、スシローやはま寿司など同等の力を持つ同業の競合が複数存在するため、競合に流出した顧客を取り戻すことはマクドナルド以上に難しいと考えられる。マクドナルドはハンバーガー業界で圧倒的な規模とブランド力を有しているため、流出した顧客を取り戻すことは、くら寿司ほど難しくはないといえる。そのため、鶏肉問題にしても、時間の経過だけで戻ってきた顧客は少なくないのではないか。一方、くら寿司はそう簡単にはいかないと考えることができる。

“すしがまずい”イメージ定着のかっぱ寿司

 くら寿司の客数が回復するのに時間がかかりそうなのは、かっぱ寿司の事例からも推測できる。

 かっぱ寿司のカッパ・クリエイトは減収が続いたり、幾度も最終赤字の計上を余儀なくされるなど、厳しい経営状況が続いている。かっぱ寿司が苦境に陥ったのは、“すしがまずい”とのイメージが定着してしまったためだ。それにより客離れが起きた。客数は19年3月期まで5期連続で前年割れとなっている。

 かっぱ寿司でこれだけ長期にわたって客数が減っているのは、スシローなど同等の力を持つ同業の競合が複数存在するためだ。すしを食べたい人がまずいイメージのすし店を選ばないのは当然だろう。多くの人がほかのすし店に行くようになったはずだ。同じようなことがくら寿司にも起こり得る。こうしたことを考えると、くら寿司の客離れはかっぱ寿司のように長期にわたる可能性が捨て切れない。

 いずれにせよ、くら寿司としては集客策を講じ続けなければならない。もちろん、これまでにも集客策は講じてきた。

 たとえば、3月に国産の天然魚を使ったフィッシュバーガーと合い挽き肉のミートバーガーの2種を発売して集客を図った。これらはお客からの評判は上々のようで、発売初月に100万食を売り上げたという。ただ、3月の客数は前年同月比5.2%減と大幅マイナスとなっており、ハンバーガーで全体の悪い流れを食い止めることはできなかったといえるだろう。

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