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東京五輪期間、都内のホテル料金4倍~&予約困難の恐れ…安く予約できるテクニック

文=深笛義也/ライター
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東京2020プレビュー 国立競技場 空撮(写真:古城 渡/アフロ)

 2020年、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中、ホテルの料金が高騰するのみならず、どこもすでに満室になって予約ができないのではないかという懸念が広がっている。チケットを入手できたにもかかわらず、ホテルが取れずに観戦ができないという悲劇は起こるのだろうか。ホテル評論家の瀧澤信秋氏から聞いた。

「昨年の5月にチケットの第1次抽選があって、その後、追加抽選がありました。その時期にチケットはゲットできたけどホテルが取れないという声が上がったんですね。これは、1つには大会組織委員会が仮押さえをしていたということがわかりましたが、すでに少しずつリリースされているとの情報もあります。

 もう1つには、まだ開催時期の予約の受付を開始していないというホテルも多いんです。五輪会期中のホテルの状況について、つい最近オリンピック時の空き具合をテーマにしたテレビのロケで6軒のホテルを回ったところ、そもそもどこも予約の受付を開始していませんでした。また、これから新規開業のホテルもかなりあります。

 料金についてですが、そもそもホテルの料金というのは、航空運賃などと同じように繁忙期には高くなり、閑散期には安くなります。年間を通して超繁忙期となるのが、ゴールデンウィーク、お盆、年末年始ですが、そうした時期のプラスアルファくらいの料金になると予想しています。高級ホテルはもともと料金は高いので、5倍、10倍ということは考えにくく、逆に、5000円くらいのビジネスホテルだと4倍~くらいになるということは十分に考えられます。五輪の会場に近い都心のホテルに泊まるなら、それぞれのホテルの予約開始日を把握しておくこと、新しく開業するホテルの情報を得ておくことです」

 都心のホテルに関しては、受付開始と同時に予約が殺到することが考えられる。新規開業のホテルに関しても同様だ。予約が取れなかった場合は、どうすればいいのだろう。

「東京都心のターミナル駅から郊外に伸びる電車はスピードが速く、都内の郊外ですと、中央線沿線の立川や八王子はホテルが多いのですが、新宿から立川まで20数分、八王子まで30数分で行けます。近県で見ても、渋谷から横浜まで20数分、池袋から大宮まで20数分、東京から千葉まで30数分で行けます。都心に泊まったとしてもターミナル駅にたどり着くのにいろいろ乗り継いで、20~30分かかってしまうこともあるので、大差はないということになります。

 中央線沿線は新規開業したホテルもいくつかあります。埼玉県ですと京浜東北線沿線はけっこう人気があって難しいんですが、西武線沿線はあまり注目されていません。千葉県を見ると京葉線沿線は人気ですが、常磐線とか総武線はあまり注目されていません。たとえば、柏と聞くと遠いと感じられるかもしれませんが、上野から30分ほどで、ホテルもたくさんあります。近郊のホテルの場合、都心のホテルほどの高騰は見られません。例えば立川や八王子でしたら6000円が9000円になるくらいのイメージでしょうか」

 近郊のホテルを探っていけば、利便性も損なわず、コストパフォーマンスもよく宿泊できる可能性もあることがいえそうだ。

レジャーホテルが狙い目?

「他の宿泊業態のことも、考慮に入れるといいかもしれません。たとえばラブホテルですが、業界ではレジャーホテルと呼ばれています。今はカップルに限るのではなく一般客の取り込みも行っているんです。それというのも、ラブホテル本来の業態だと、昼間の休憩利用が多くて、夜の宿泊利用が少ないんですね。それで、ビジネス客や女子会、なかには家族客の取り込みも行っている施設もあります。日本国内に一般のホテルは1万軒くらいなんですけど、ラブホテルは5000~6000軒くらいある。宿泊施設としてみた場合のボリュームはかなりのものです。

 ラブホテルは都心で駅近にけっこうあって、設備も豪華なところが多い。なおかつ一般のホテルがすごく料金を変動させるのに対して、ラブホテルは基本的には料金を変動させません。あるラブホテルのオーナーに『オリンピック期間はどうするんですか?』って訊いたら、『ああ、そういう需要もあるんだね』という感じでした。オーナーがオリンピック需要にやっと気づくというくらいですから、利用者としては狙い目でしょう。

 また、ラブホテルは一般の予約サイトでは出てこなくて、専用の予約サイトで見る必要があります。そういったところからも穴場的な業態といえるでしょう。その他の業態ですと、周りの音とかが気にならないという方であれば、カプセルホテルもあります。高騰という点では多少の料金変動はあるでしょうが、せいぜい2~3000円増しになるくらいではないでしょうか。

 民泊も法律が整備されてきて、闇民泊が排除されてきました。安全性とか衛生面が担保できて、さらに今、民泊はクオリティを競っています。そこで生活している気分が味わえるということで、外国人には民泊はすごく人気があります。

 また、たとえば一般のチェーン系ビジネスホテルなどの場合、料金変動は何倍までという独自のルールを設けているケースが多くあります。これはのちのちリピーターに支持される必要性や、ブランドイメージ、公共性という視座に立ったものでしょうが、個人経営のような民泊のなかには、数十万円というような非常識な設定をしている施設もすでに見られます。かなり高騰するケースもあるかもしれません」

 どうやら宿泊ができずに五輪が観戦できない、という事態は起こらなそうだ。上手に情報収集して、どんな五輪観戦の旅にするのかを考えることは、むしろ楽しみを増すのではないだろうか。

(文=深笛義也/ライター)

深笛義也/ライター

深笛義也/ライター

1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。10代後半から20代後半まで、現地に居住するなどして、成田空港反対闘争を支援。30代からライターになる。ノンフィクションも多数執筆している。

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