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榎本博明「人と社会の役に立つ心理学」

親たちが勘違いしている、我が子を「勉強ができる子」にする方法…「子の思い通り」が大敵

文=榎本博明/MP人間科学研究所代表、心理学博士
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 だが、問題はその先にある。「本を読まなくちゃ」と思ったとして、実際に本を読むようになる子もいるものの、多くの子は本を読むことをしない。頭でわかったからといって、実行できるわけではない。

自己コントロール力さえあれば、勉強も仕事もできるようになる

 現に大学の授業で、認知能力の発達にとって読書が重要だといった内容に刺激を受けて、授業後に何人もの学生が、「本を読んだことがほとんどないんですけど、どうしたら読めるようになりますか」と相談に来る。

 そして、各自が興味をもてる領域で読みやすい本を読み始めるのだが、2~3週間後には早くも挫折する学生が大半である。「自分はどうしても意志が弱くて、何をやっても続かないんです」「すぐに飽きちゃうんです」などと言いながら、「でも、このままじゃ、社会に出てから苦労しますよね」と、安易なほうに流されやすい自分の心理傾向に頭を悩ませている。

 大人だって同じだろう。「健康のためにできるだけ歩かないと」と思ってはいても、ついエレベーターやエスカレーターを使ってしまう。「ダイエットのために甘い物を控えないと」と頭ではわかっていても、おいしそうなケーキを見ると我慢できず、買ってきて食べてしまう。そんな人も少なくないのではないか。

 そこで大切なのは、子どもの頃から自己コントロール力を身につけておくことである。自己コントロール力が高いか低いか。それが将来を大きく左右する。

 自分自身の中学や高校の頃を思い出してみよう。同じクラスにもいろんな子がいただろう。試験前に試験勉強をやらなければというのは、だれもが思うことだが、実際にきちんと準備勉強をする子もいれば、やらなければと思いながらもつい怠けてしまう子もいたはずだ。この問題集の何ページから何ページまでをしっかりマスターしておけば解ける問題ばかりだと先生から言われ、そこを徹底的に練習する子もいれば、範囲がわかっていても準備勉強の手を抜いて遊んでしまう子もいたはずだ。

 勉強ばかりではない。部活などでも似たようなことがあったはずだ。この練習を徹底的にやることが大切だとわかっていても、必死に練習をする子もいれば、さぼってばかりの子もいたのではないか。

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