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ゴーン国外逃亡を許した東京地裁と弘中弁護士へ批判強まる…日本司法の恥を世界に晒す

文=有森隆/ジャーナリスト
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疑われるレバノン政府の関与

 レバノン政府が何度「関与していない」と表明しても、同政府が逃亡劇に関与した疑いは濃厚である。アウン大統領はゴーン被告に「レバノン市民としての保護」を約束し、昨年12月30日にゴーン被告が帰国を果たした直後、本人と面会したと報じられている。「あなたはこの国にとって宝だ」とアウン大統領が称賛した、との報道もある。

 英紙インデペンデントのアラビア語版は1月1日、レバノン政府関係筋の話として、ゴーン被告の脱出計画について<レバノンの治安、政治関係者が少なくとも数週間前には把握していた>と報じた、と時事通信が伝えた。

 地元テレビ局によると、ゴーン被告がベイルートの空港に到着した際、被告に近い友人らが出迎えた。この後、被告は大統領と非公式に面会した。レバノン政府はゴーン被告の日本脱出への関与は公式に否定している。大統領府の高官は1月2日、AFP通信に対し、「ゴー氏は大統領府に来ていないし、大統領に会っていない」と改めて強調した。

「ゴーンはいつかベイルートへ逃げると思っていた」

 昨年4月25日、東京地裁の島田一・裁判官が証拠隠滅の恐れを認めながらも、「弁護士らの指導監督が徹底している」などとして保釈を許可した。この時点で検察関係者は「ゴーンはベイルートへ逃亡する」と予言していた。予言通りになったわけだ。

 刑事弁護に精通する弘中弁護士や高野隆弁護士らへの信頼が東京地裁にはあったとされるが、「日本の刑事司法の恥を世界にさらした裁判所と弁護人の責任は重い」との指摘が検察だけでなく、法曹関係者からも出ている。

 ゴーン被告は日本の司法制度を信用していなかった。「潔白を証明する」と常々言っていたが、その場所は日本ではなくレバノンだったということだ。米ウォール・ストリート・ジャーナルは、ゴーン被告の次のような声明を伝えている。<友好的な司法環境が期待できるレバノンで裁判を受けるつもりだ>。捜査の過程でゴーン被告の妻、キャロルさんが事件関係者と接触していたことが発覚した。

 キャロルさんは、地検が押収したパスポートとは別のパスポートを使って日本を無断出国している。この時はフランス大使館員が空港までキャロルさんに付き添った、という情報がある。キャロルさんは自分がやって成功したことを、もっと大がかりに夫の逃亡劇で再現したのではないのか、という見方もある。

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