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高橋篤史「経済禁忌録」

IR汚職で逮捕の秋元司議員、その危険過ぎる金脈と人脈…東レに口利き、返済ねじ込み

文=高橋篤史/ジャーナリスト
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A.Cホールディングスとの深い縁

 さて、そのワシントンだが、役員欄のどこを探しても名前を見つけることができないものの、オーナーとして君臨していたのは河野博晶氏という人物だった。同氏は仕手株の世界で有数の実力者として知られていた。

 河野氏の名前が最初に世間を騒がせたのは、バブル崩壊直後の1990年代前半である。「環太平洋のリゾート王」との異名をとった故高橋治則氏率いる「EIEグループ」が破綻間際、小さな金融機関を舞台に乱脈の限りを尽くした二信組事件の関係者だったのだ。大分県内で次々とゴルフ場を開発していた河野氏が経営する会社は不正融資先のひとつで、同氏も罪に問われることとなった。

 その後、「草月グループ」と名乗り株式市場の裏側に活路を求めた高橋氏と同様、河野氏も仕手株にカネの臭いを嗅ぎ付けたようだ。まず1998年頃に接近したのは三井埠頭だった。かつて投資ジャーナル事件の首魁で知られ仕手筋としてひそかに復活していた中江滋樹氏が操っていた同社は手形を乱発、その総数は260枚余り、総額160億円にも上っていた。自転車操業的な資金繰りを続けるなか、河野氏も接近。ただ、同社は中江氏の失踪後、倒産してしまう。河野氏のワシントンは定温倉庫を買い取ったり、乱発手形を引き受けたりしたようだが、最終的に利益を得たのか損失を被ったのか定かでない。

 河野氏が次に接近したのは宝飾品販売のエフアール(後にクロニクルと社名変更)だった。同社は私募転換社債(CB)発行による錬金術の「ハコ」に使われた初期の銘柄といえるが、1999年に発行した私募CBの引受先の背後に河野氏がいた。同氏と共同戦線を張っていたのは「関西の大物仕手筋」と謳われていた故西田晴夫氏だった。

 その後、河野氏は東証マザーズ上場第1号のリキッド・オーディオ・ジャパンに影響力を持ったり、さらに支配株主・光通信との対立劇の最中に起きたクレイフィッシュの創業者保有株の流出騒動に一枚噛むなどしている。そして2005年7月に増資を引き受けたのを機に南野建設(後にA.Cホールディングスに社名変更、現アジアゲートホールディングス)を事実上傘下に入れることとなる。

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