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六代目山口組の年末年始の動きにも垣間見られる、髙山若頭の影響力

文=沖田臥竜/作家
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マスコミや警察が見守る中、初詣を行う六代目山口組幹部たち

 六代目山口組では毎年大晦日になると、神戸市灘区にある六代目山口組総本部に全国から直系組長らが集結し、新年を越す行事が行われていた。その際、司忍組長が最高幹部を従え、総本部近くの護国神社へと初詣するのがならわしだったが、今年は総本部が使用制限を受けていることから、直系組長らが総本部へと集結することができなかった。そのため、護国神社への初詣は六代目山口組を代表する形で、執行部の一端を担う二代目竹中組組長の安東美樹若頭補佐と、総本部に住民票を置いている直系組長らのみで行われた。

「関連事務所の使用制限を受け、一部開催を控える公式行事があったとしても、六代目山口組は粛々と伝統行事を執り行い続けている。そうした方針は、特定抗争指定暴力団に指定後も変わらないのではないか」(業界関係者)

 昨年末から六代目山口組では大きな動きがあるのではないかと一部で囁かれていたのだが、実際、同組織の動向は以前とは異なりを見せていると多くの関係者が口にしている。その一例として挙げられるのが、徹底され始めた情報統制などだが【参考記事「髙山若頭体制で徹底される情報統制」】、その原動力となったのが、やはり六代目山口組の司令塔ともいわれる髙山清司若頭の社会復帰だろう。

「厳密にいえば、髙山若頭の出所直前から、六代目山口組の動きが変わってきたといえるのではないでしょうか。それほど、髙山若頭の存在は、六代目山口組組員にとって大きな影響を及ぼすということ。あくまで組織のトップは司忍組長で、名実ともに六代目山口組の頂点です。六代目山口組の象徴であり、シンボルなんです。そのために、政(まつりごと)といった組織運営に司組長が直接関わることはありません。そこで采配を振るうのが、ナンバー2の髙山若頭となるわけです。その髙山若頭が一線へと復帰したのですから、否が応でも士気が上がっているのではないでしょうか」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 筆者は毎年、大晦日になると思い出すことがある。筆者が所属していた組織(六代目山口組二次団体)の親分が六代目山口組総本部で年を越されるために、運転手とともに親分の本宅へと午後10時ごろに迎えに上がり、親分を総本部へと送り届けて、いったん本部事務所へと戻るということを続けている時期があった。そして、年が明けると再び総本部へと親分を迎えに上がり、本部事務所へと帰るのである。その際、司組長からのお年玉を、親分の手を介して、三役と呼ばれる二次団体の3人の幹部ももらうことができるのだ。筆者もその1人であった。

 司組長の名前が入ったお年玉袋を、親分から初めていただいた時のことは鮮明に覚えており、最近でも大晦日になれば、その時の記憶が蘇るのである。まさかあの時代、六代目山口組が分裂することも、六代目山口組総本部が使用制限を受けることなども誰が想像できただろうか。

 閑話休題。そして、年が明けた1月5日。全国から六代目山口組の直系組長が名古屋へと集結。初顔合わせとなる新年会が行われたのである。

「名古屋市内の関連施設に集まる親分衆は白ネクタイに礼服でした。表情は厳粛のなかにあっても柔らかく、特定抗争指定や分裂状態を憂いているような表情にはまったく見えませんでした。ヤクザである以上、どのような状況でも泰然自若と受け入れるといった姿勢の表れではないでしょうか」(地元記者)

 昨年暮れには、新年会の際に大きな人事発表があるのではないかと噂されていたというが、実際にはそういった発表などもなく、令和2年の新年会は滞りなく終了したという。そして、その日から2日後の1月7日、官報へ公示され、六代目山口組と神戸山口組が正式に特定抗争指定暴力団に指定されたのである。

(文=沖田臥竜/作家)

沖田臥竜/作家

沖田臥竜/作家

作家。2014年、アウトローだった自らの経験をもとに物書きとして活動を始め、小説やノンフィクションなど多数の作品を発表。小説『ムショぼけ』(小学館)や小説『インフォーマ』(サイゾー文芸部)はドラマ化もされ話題に。最新刊は『インフォーマ2 ヒット・アンド・アウェイ』(同)。調査やコンサルティングを行う企業の経営者の顔を持つ。

Twitter:@pinlkiai

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