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鷲尾香一「“鷲”の目で斬る」

今年、東京五輪でテロへの警戒高まる…公安調査庁「テロリストに格好の機会」と厳戒態勢

文=鷲尾香一/ジャーナリスト
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 さらに、右翼団体および右派系グループが、外交・安全保障のほか、領土や歴史認識などの諸問題に関する自らの主義・主張をアピールする好機ととらえて、来日する特定国の要人、選手団、観光客を糾弾したり、外国人排斥を主張したりする活動などを行うおそれもあると指摘している。

 その上で、同庁では2013年9月18日に「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会関連特別調査本部」を設置し、全庁を挙げての情報収集・分析態勢の強化を図りつつ、同庁の最大の強みであるヒューミント(人的情報収集)を通じて、テロの未然防止や各種不法事案等の早期把握に資する情報をはじめ、東京大会の安全・円滑な開催に向けた各種関連情報を収集・分析し、関係機関等に随時提供していると、同庁の活動を紹介している。

「インテリジェンスの力」への疑問

 もちろん、東京オリンピックでテロが発生する可能性はあるが、同庁がこの特集で結びの言葉としている「公安調査庁は『インテリジェンスの力』で、東京大会の安全開催に貢献していく」という文言には、いささか疑問を持たざるを得ない。

 前述の拙稿でも述べたが、日本の情報機関は、世界から見て決してレベルが高いわけではない。それは人員面でも予算面でも明らかだ。東京オリンピックでのテロの可能性を徹底的に排除するには、あまりにも貧弱だ。同庁が最大の強みとしているヒューミントにしても、「もともとテロに対する意識が薄い日本人の国民性から考えて、テロ防止のための情報網がうまく機能するとは思えない」(政府関係者)との見方も多い。

 いずれにしても、入国管理の強化などを通じて、東京オリンピックが無事に終了することを願うばかりだ。

(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)

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