もし三菱UFJが導入するとすれば、同じような手続きになると想定される。ただし、不稼働口座の対象になるのは、この制度が導入されて以降に新規開設された口座に限られる。今ある口座すべてが対象というわけではなさそうだ、少なくとも現段階では。
銀行口座を解約するには?
不稼働口座に似た騒ぎで言えば、2019年から発生している「休眠預金」もあった。こちらも10年間出し入れなどがない預金を公益活動に充てる資金として活用しましょう、というもの。主旨は違うが、銀行としては、とにかく使われない口座にかかるコストを減らしたいし、これを機会に口座保有者に解約手続きを進めてほしいのだろう。
では、解約したいときの手続きから説明しよう。休眠預金の際に、筆者が行った体験をベースに説明していく。まず、銀行の合併により、通帳に書いてある銀行名が今どうなっているか不明の場合は、全国銀行協会の「銀行変遷史データベース」で調べるといい。現在引き継いでいる銀行がわかれば、そのホームページに行って「長い間使っていない口座」等を検索すると、手続きが載っている場合もあるし、なければカスタマーサービスなどに問い合わせよう。メガバンクの場合は、最寄りの支店で解約手続きができることが多い。
手続きに行くなら、とにかく関係ありそうなものを全部持っていくほうがいい。通帳、キャッシュカード、印鑑(銀行届出印が望ましいが、どれかわからない場合は別の印鑑でもいい。再登録するために必要になる。旧姓でつくった口座なら現在の姓の印鑑も)、本人確認書類(現住所がわかるもの。女性で姓が変わっている場合は戸籍抄本も取っておく)など、二度手間を防ぐために用意できるものは全部だ。
また、古い口座を開いたときの住所を聞かれることがあるため、昔の住所録や当時の年賀状が残っていれば、それもあるといいかもしれない。これだけ揃っていれば、口座の現在の状況や残高がいくらあるかは調べてもらえるはずだ。
ただし、口座を開いた支店そのものがなくなっていたとすると、本部へ照会するために少し時間がかかることもある。筆者の場合も、古い口座のひとつが今は存在しない支店のもので、どこの支店に口座が移ったかすぐに判明しなかったため、その日は帰宅し連絡を待つことになった。そうやって調べてもらってわかった残高を引き出すにも、届出印が手元になければ新しい印鑑を登録し、それを使って下ろすという手続きが必要となる。解約するにもなんだかんだと手間と時間はかかるのだ。
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