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富士フイルム、米ゼロックス買収失敗で“報じられない甚大な損失”

文=編集部
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 米ゼロックスとHPをめぐる動きは日本企業にも影響が及ぶ。キヤノンはHPにレーザープリンター部品をOEM供給している。キヤノンの18年12月期のHP向け売上高は5374億円。売上全体の14%を占める。キヤノンとゼロックス・HP連合との関係がどうなるのか、市場は注目している。米ゼロックスがHPと連合を組むようになれば、キヤノンなどから製品供給を受ける可能性が出てくる。

 証券アナリストは富士フイルムHDの合弁解消に冷ややかだ。

「事務機器は唯一景気のいい売り先が米国。その米国市場がなくなる。それどころか、完全に米ゼロックスとライバル関係になる。富士フイルムHDは化粧品に参入したが、やはり化粧品はブランドにならないとダメで、ドラッグストアでの安売りしかない。医療機器も内視鏡などに参入したが、オリンパスやキヤノンのような光学系メーカーではないから無理がある」

 富士フイルムHDは「持ち分法利益(富士ゼロックス分)が増え、純利益が年間200億円増える」「ゼロックスのブランドは使えなくなるが、毎年100億円強のブランド使用料がなくなる」(助野健児社長)としている。事務機器の世界シェアはゼロックスが16%だが、内訳は富士ゼロックスが9%、米ゼロックスが7%と推計されている。単純計算すれば7%分がなくなる。それだけでなく米ゼロックスブランドで売れていた部分が剥落する。

 経営トップが主導した大型買収交渉で失敗した場合、責任を取るのが普通だ。キリンHDとサントリーHDの世紀の合併交渉が破談になった時、キリンHDの旗振り役だった加藤壹康社長(当時)が引責辞任した。古森氏の辞書に「経営責任」の4文字は見当たらないようだ。

古森氏のもうひとつの顔

「NHKの人事を陰で仕切っているのは古森さん」(永田町筋)との声が聞こえてくる。古森氏は長崎県の出身。今回、NHK会長に決まった前田晃伸・みずほフィナンシャルグループ元会長は大分県の出身。NHK経営委員長を19年12月10日付で退任した石原進・JR九州相談役、上田良一会長の前任だった籾井勝人氏も九州人脈。富士フイルムHDのドンという領域を、すでに突き抜けているのかもしれない。19年12月30日の首相動静によると、安倍晋三首相は神奈川県茅ケ崎市のゴルフ場「スリーハンドレッドクラブ」で古森氏など経済人とゴルフをした。

(文=編集部)

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