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2020年のクルマ選び、どこがポイント? モータージャーナリストは「アナログな進化」に注目

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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 自動車の「今」と買うべきクルマがわかる、ということで長くカーファンから愛されてきた『間違いだらけのクルマ選び』(草思社刊)の2020年版が登場。主要メーカーの最新モデルの比較はもちろん、EVや自動運転など、技術革新によって大きな転換点を迎えている自動車業界の「現在地」についても丁寧な解説がなされている。

■2020年のクルマ選びは「シート」に注目すべし

 乗り心地や操作性の向上、低燃費化など、自動車は年々進化しているが、著者でモータージャーナリストの島下泰久氏が2019年に最も驚いた自動車の進化の一つは、日本車の「シート」だったという。

 たかがシート、されどシート。ただの「イス」と思うことなかれ。

 最新のシートは人間が本来持っているバランス保持能力を引き出すものになっているという。

 車には「ロール(右折・左折で車体が左右に傾くこと)」や「ピッチング(アクセル・ブレーキで車体が前後に傾くこと)」という動きがあり、サスペンションなどで可能な限りその動きを吸収する構造になっている。それに加えて、歩行時のように骨盤を立てて、背骨が自然なS字カーブになるようなシートを開発することで、自然に頭の位置や向きを安定させる人間の身体能力を引き出し、ロールやピッチングの時でも歩いている時のように自然な感覚で運転できるようになったという。

 骨盤に注目したシートはマツダが先んじているそうだが、トヨタ、ホンダなども次々に開発し、新型車に投入を始めている。次に自動車を買うなら、シートに着目してみるとおもしろい。

■まだまだ道半ば?「CASE」の現在地

 本書では、自動車業界を取り巻く環境についても取り上げている。

 ここ数年、自動車関連でホットトピックになっているのがCASE(C=コネクティッド、A=自動運転、S=カーシェアリング、E=EV電気自動車)だが、メディアが可能性ばかりを騒ぎ立てる一方で、本格的に普及するのはいつなのかが見えにくくなっている面がある。

 たとえばEV。今年だけでメルセデス・ベンツやアウディ、ポルシェ、フォルクスワーゲンなど世界の名だたるメーカーが新作EVを発表。国内勢も日産、ホンダ、マツダがこの流れに乗っている。

 いよいよ本格的にEVが普及するかと思いきや、島下氏は「EVの普及はそんなに簡単なことではない」と冷静だ。というのも、EVが電気で動く以上、充電設備が必要だ。しかし、充電設備がある過程やオフィスが、自分の生活圏にどれだけあるかというと、決して多くはないのが現状。これはEV開発に熱心なヨーロッパも日本も変わらない。

 これから起こりうるのは、EVが急激に増えるという未来ではない。充電設備の普及とバランスを取りながら徐々にEV車が増えていくというシナリオが現実的だという。

 また、自動運転も同様に、メディアが煽るほど開発は進んでいないのが現状だ。2~3年前は、2020年代初頭には完全自動運転が実現すると、多くの自動車メーカーやサプライヤーが宣言していた一方、今年の東京モーターショーでは完全自動運転の手前の「レベル3(条件付運転自動化=限定された条件のもとでシステムが全ての運転タスクを実施するが、緊急時などシステムからの要請があれば運転者が操作を行う必要がある)」の自動運転車も出展されていなかった。完全自動運転の実現にはまだまだ時間がかかるようである。

 高い買い物だけに「クルマ選び」はできるかぎり情報を集めて、熟考を重ねた方がいい。メーカー各社の動向や新モデルの乗り心地、新技術の解説など、多様な情報を与えてくれる本書は、失敗しないクルマ選びのお供になってくれるはずだ。
(新刊JP編集部)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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