総務省「明確なルールはない」

 政党支部、資金管理団体、後援会が同一の事務所を利用する場合、収支報告書にどのように記載しなければいけないのか。総務省政治資金課の担当者は次のように話す。

「省として個別具体的な事例に関しては申し上げられませんが、ご質問のケースに関しては明確な記載ルールはありません。それぞれの会計責任者が実態に基づいて正確に記載するよう求めています」

 一般的に政治団体はどのように事務所の運用を行っているのか。自民党衆議院議員秘書は次のように話す。

「こういう事例はよくありますよ。マスコミや市民オンブズマンに突っ込まれるのを避けるため、一般的にはそれぞれの事務所所在地は別に設置したほうが良いです。政党支部と自身の資金管理団体、後援会が同一所在地の場合は、各政党で定めたルールに沿って分割支払いをする場合があります。

 地方は賃料が安く、別個に事務所を構えるのは難しくないですが、首都圏は厳しいのかもしれません。ただ、収支報告書に記載のある主たる事務所と違う場所の賃料を別々に支払うというのはあまり聞いたことはありません。議員会館をメーンに作業を行うのであれば、なぜ別の事務所を確保し、新たに賃料が必要になるのかということになります。小泉氏は父の純一郎氏から地盤と看板を受け継いだので、もともとそういう支払い方を続けてきた可能性はあります」

政治家の事務所は「迷惑施設」

 また別の国会議員秘書は次のように業界の内情を語る。

「政治家の事務所は不動産屋や一般住民からすると迷惑施設に該当します。いろんな人が出入りしますし、選挙で落ちれば撤退することもあり得るわけで、必ずしも優良な借主ではありません。そして選挙の時は人がごった返すので、近隣から苦情も出ることが多く、貸してくれる人が少ないのが現状です。資金管理団体と自身の後援会事務所をやむを得ず同じにしている議員も多くいます。そのため家賃を通常より高めに請求されることも十分あり得ます。

 ただ、最近では政治資金の透明性を担保するために、国会議事堂近くの議員会館の事務所を資金管理団体の所在地として記載して良いことになりました。そのため、報告書で主たる事務所を議員会館にしている方も多いです。例えば、麻生太郎財務相や安倍晋三首相はそうしています。あくまで書類上の話で、実際は後援会事務局内に資金管理団体があることも多いです。

 小泉さんは先代の純一郎氏からあの事務所だったはずです。地元横須賀では3代続く政治家の名門中の名門です。他の場所に事務所を借りようと思えばいくらでも借りることができるはずです」

純一郎時代のスタッフが去り、事務所の能力が低下

 政治ジャーナリストは小泉氏の事務所の状況について次のように解説する。

「父・小泉純一郎氏の事務所の金の管理も含めて小泉家を事実上取り仕切ってきたのは、純一郎の姉で秘書も務めてきた信子さんです。ところが、信子さんと、純一郎氏の秘書だった飯島勲氏が水と油の関係だったのです。その結果、純一郎氏の引退を機に信子さんは飯島さんを追い出しました。

 しかし、進次郎氏は初当選を目指した選挙で、自ら飯島さんに頭を下げ、協力してもらっていました。そして初当選後、飯島氏は役目を果たしたということで事務所を去りました。当初、進次郎氏の事務所スタッフには純一郎時代からの人間が多数いましたが、進次郎氏は自分の仲の良い人物を民間などから引っ張ってきて、徐々に純一郎時代のスタッフは事務所を去りました。その結果、政治の世界での経験が浅い人物も増え、結果として、文春報道のような金の問題も表面化してきています。事務所内もグチャグチャになりつつあるとも噂されています」

 当サイトでは、小泉氏の事務所に前述の家賃問題について、質問書を送付し聞いているが、16日現在、回答はない。

(文=編集部)

 

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