杉江弘「機長の目」

航空機、パイロット1人制検討、極めて危険…パイロット無視の超ハイテク化で墜落事故多発

 もしそのようなことが発生したら、機材によってはパイロットが2人一緒になって力いっぱいに操縦桿をスタビライザーの動きと反対側に押したり引いたりして、それ以上の機首変化を止め、その間に油圧や電気システムの関連スイッチを操作して回復させる手順となっている。男性でもパイロット1人だけでは力不足で、そのためチェックリストには2人で回復操作を行うように書かれている。

 この例はほんの1つであるが、現代のハイテク機の設計レベルでは、とてもパイロット1人での操縦は無理と断言できる。どうしてもというのなら、大きな設計変更が必要であろう。そうなると、結果的に高価な航空機を製造する必要となり、それでは合理化の意味がなくなってくる。

 実は航空機メーカーはこの「パイロット1人制」の先に、AI(人工知能)がパイロットにとって代わる時代を実現させようとしているが、はたしてAIは民間航空機を操縦できるのか。この問題については、また別の機会に検証したい。

(文=杉江弘/航空評論家、元日本航空機長)

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