三越伊勢丹、ビックカメラ誘致で百貨店の常識破壊…“なりふりかまわず”必死の生き残り策

 欧米の百貨店では高級家電というジャンルが確立されている。杉江社長は、「デンマークの高級家電バング&オルフセンの45万円のステレオなど、我々の顧客にふさわしいものがある」と語っている。

「旧三越の“本丸”である日本橋三越本店のテナントとして家電量販店が出店するとは」(旧三越の元幹部)と驚きの声が上がっている。百貨店は高級感を大事にする。老舗百貨店と低価格を訴求する家電量販店の組み合わせはミスマッチの感は否めない。

“百貨店発祥の地”で百貨店の常識を壊す

 日本橋三越本店は祖業である呉服屋「越後屋」発祥の地に立つ。1905(明治38)年、三越呉服店は日本初のデパートメントストア宣言をした。わが国の百貨店の歴史は、ここから始まった。それは日比翁助の三越呉服店専務としての初仕事である。当時、三越には社長のポストはなく、日比が実質的な社長であった。日比の優れた広告戦略を端的に示したのが、「今日は帝劇、明日は三越」という、有名なキャッチフレーズだ。日比は、近代百貨店の祖と呼ばれている。

 伝統と格式を誇る老舗百貨店が安売り家電量販店を誘致したことについて、「三越伊勢丹はそれほど追いつめられているのか」(ライバルの大手百貨店首脳)と受け止める向きもある。杉江社長の決断は、吉と出るか、凶と出るか。もし、成功したら高級家電コーナーを設ける百貨店が増えるかもしれない。

(文=編集部)

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