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今年、東日本大震災級の大地震発生の兆候か…伊豆諸島で土地の異常な高さ変動観測

文=鶉野珠子/清談社
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「私の専門はリモートセンシングです。その知識と技術を駆使して地殻や地盤の動きを見ているわけですが、世間からは『地震の専門家ではないので信憑性が低い』と言われてしまうこともあります。しかし、地震学者は地震のメカニズムや地震によって起こる諸現象の解明が主な研究内容です。地球の動きを見て地震が起こるかどうかを予測するのは、むしろ我々がやっている測量工学の分野といえます。そうした事情が、なかなか理解を得られないようです」(同)

 地震予測という分野は発展途上だからこそ、あらゆる可能性を兆候としてとらえ、広い視野で研究したほうが良さそうなものだが、学術界に多い保守的な考え方とはマッチしないのかもしれない。

東日本大震災と同様の異常な兆候も

 このようにさまざまな観点から地震の予兆をつかもうとしている村井氏は、現在、新たな方法で予測に取り組んでいる。「搬送波位相」という電波が、GPSやQZSSなどの測位衛星から地球に設置された受信局に到達するまでの時間に遅延がないかを見る方法だ。

「地震の直前、宇宙空間の電離圏が乱れることは科学的に証明されています。そして、その乱れが影響し、衛星と受信局の間の電波の到達時間が遅れることがわかったのです。実際、18年9月に発生した北海道胆振東部地震でも、4日前に搬送波位相の遅れが現れています」(同)

 搬送波位相の遅延を近年のM6以上の大型地震のデータと照らし合わせて検証すると、すべての地震で搬送波位相の到達時間が遅れていたことが明らかになったという。今後、この方法を駆使すれば「予測」から「予知」まで精度を高めることもできるかもしれない。

 最後に、20年に巨大地震が起こりそうな危険地域を聞くと、衝撃の答えが返ってきた。

「19年11月に伊豆諸島の青ヶ島で土地の異常な高さ変動を観測しました。その変動差は、なんと81センチ。4センチ以上の高さ変動で震度5以上の地震が起きる可能性が高いので、異常な数値といえます。実は、11年にも同じ観測点で76センチの高さ変動を観測しており、その2カ月後に東日本をM9の大地震が襲いました。東日本大震災です。もしかしたら観測エラーかもしれませんが、その一方で事実かもしれないという考え方も捨てきれません。警戒するに越したことはないでしょう」(同)

 東北地方と青ヶ島は遠く離れているため無関係のようにも思えるが、大きい地震ほど、異常が観測された場所から遠くにまで影響が及ぶという。東北は3.11で地盤が急激に沈降した地域が多く、現在は隆起している傾向にある。周囲の地盤との境界にひずみが生じているため、そこが地震の発生源になり得る可能性もあるという。

『地震予測は進化する!「ミニプレート」理論と地殻変動』 東日本大震災以降も日本各地に大きな地震が頻発している。しかも、熊本、大阪北部、北海道東部など、発生地はランダムだ。しかし、政府や地震学者は「南海トラフ」「首都直下」など特定の地震だけを対象にして「●年以内の発生確率は●%」という占いレベルの警告を発するだけである。いま求められているのは、「根拠と実効性のある地震予測技術」の確立だ。有料会員約五万人に向けて「MEGA地震予測」を毎週発信する著者が、近年の画期的な研究成果を世に問う。 amazon_associate_logo.jpg

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