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河井案里議員・ウグイス嬢買収疑惑、安倍政権の関与が焦点に…党本部から1億円超支給

文=後藤豊/フリーライター
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自民党の河井案里参議院議員(写真:毎日新聞社/アフロ)

 昨夏の参議院議員選挙で、ウグイス嬢ら選挙の運動員に対し公職選挙法に定められた日当の倍額である3万円を支払った公選法違反の疑いで、自民党の河井案里参議院議員が窮地に立たされている。

 1月23日発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、参院選の前に自らと夫の河井克行前法務大臣の政党支部に党本部から合計1億5000万円が振り込まれていたことが報じられた。案里議員は受領を認めたものの「違法性はない」と述べているが、運動員“買収”の原資に安倍政権が関与していたという疑惑は拭えない。

 すでに広島地検が運動員十数名の自宅を家宅捜索し、運動員らが3万円を受け取ったことを認めている。それにもかかわらず、説明逃れをしながら議員辞職はせずに国会に出席する姿を見ていると、「ほとぼりが冷めれば逃げ切れる」との思惑も見て取れる。

 一部報道では「相場の倍額を支払わなければ運動員が集まらなかった」とされているが、それが本当なら河井夫妻の「人望のなさ」が露呈したといえる。

「私はこれまで、政治家としての資質があり地元のために尽力している議員のウグイス嬢を4回務めてきました。日当など、もらったことはありません。毎回ボランティアです」

 こう語るのは、千葉県市川市の現役市議会議員の選挙応援に携わってきたウグイス嬢の女性だ。選挙運動の際、弁当やお菓子などは出るものの、報酬は1円もないという。その代わり、「仕事の都合で出欠を決められる」そうだ。

「毎回、私を含めた5~6名がボランティアで選挙運動をサポートしています。ウグイス嬢だけではなく、運転手や選対本部のメンバー全員が『先生のためなら……』と無報酬で応援しています。というのも、先生は何かあれば地域のために素早く動いてくれるからです。ある日、私の家の近くのどぶ板が壊れており、自転車の老人などがケガをする危険を感じたので連絡を入れたら、翌日には市の関係者がやってきて、すぐに修理されました」(前出のウグイス嬢の女性)

 つまり、その政治家に人望があれば人は自然と寄ってくるということだ。逆に言えば、河井夫妻は人望がなかったからこそ、法定の倍額の日当を支払わなければ人を集めることができなかったのではないだろうか。

選挙カーで“あり得ないジョーク”も

 選挙では、運動員全員がボランティア=無報酬ならではの「雰囲気の良さ」もあるという。同じ議員の選挙カーの運転手を務めた、ウグイス嬢の女性の夫はこう語る。

「先生のことが好きな人間同士が集まるので、事務所も和気あいあいとしていますし、もちろんジョークも通じます。一度、先生が選挙カーに乗らずに地元まわりをしたことがあるのですが、そのときに『先生が乗ってくれないと、2人で選挙カーの運転を終えた後、ラブホテル行っちゃいますよー』と軽口を叩いたこともありました。『市議会議員候補 ○○』という名前入りの大きな看板がついたクルマをラブホテルに停めちゃいますよと。でも、そんなジョークも通じるほど陣営は和やかな雰囲気なんです。

 先生はいつも明るく、ウグイス嬢のアナウンスにも一切文句を言いません。一度、別の国会議員の応援で選挙のプロも雇った陣営に参加したことがあるのですが、その先生は組織票で当選できるため、どことなくビジネスライクというか……。アットホームな雰囲気は微塵もなく、私は3日で辞めました」