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住宅ジャーナリスト・山本久美子「今知りたい、住まいの話」

前入居者が孤独死でも告知は3割?事故物件の知られざる実態…不動産会社により対応バラバラ

文=山本久美子/住宅ジャーナリスト
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「事故物件に当てはまるもの(複数回答)」を聞いたところ、「自殺や火災などの事故が起きた」(62.4%)、「殺人事件が起きた」(48.1%)、「孤独死」(33.4%)などが上位に挙がった。ただし逆に言えば、孤独死があった場合でも3社のうち2社は告知しない、とも読み取れる。

 次に、公益財団法人日本賃貸住宅管理協会(以下、日管協)総合研究所が実施した「第22回賃貸住宅市場景況感調査『日管協短観』(2019年度上期)」の結果を見よう。今回の調査では、新たに「心理的瑕疵物件における重要事項説明」に関する質問項目を追加した。

前入居者が孤独死でも告知は3割?事故物件の知られざる実態…不動産会社により対応バラバラの画像2
出典/日管協総合研究所「日管協短観」(2019年度上期)

 事故物件の対象となる亡くなり方としては、「室内で自殺」(74.6%)、「室内で病死/損傷や異臭の発生あり」(69.4%)、「室内で他殺」(64.9%)、「室内で自殺/損傷や異臭の発生あり」(64.2%)、「室内で他殺/損傷や異臭の発生あり」(61.2%)、「室内で病死及び事故死」(59.7%)となり、こうした亡くなり方の場合に多くの不動産会社が事故物件として告知をしていることがわかる。

 また調査結果から、告知するのは該当住戸への入居予定者だけ(65.7%)でなく、該当住戸の周辺の住戸などに告知する場合があることもわかった。

事故物件ならば必ず契約前に知らされるのか?

 さて、心理的瑕疵のある=事故物件の場合、宅建業法上で告知をする義務があるといっても、事故があってからいつまで告知し続けなればならないのだろう?

 実は、期間についても特に定めがないので、ケースバイケースということになる。先ほどの日管協の調査を見ると、「入居者1回入れ替え」が最多の35.1%で、「入居者2回入れ替え」(14.9%)を合わせると半数に達する。事故事例があった後に、入居者が1回または2回入れ替わると、事故については告知されない可能性が高いということだ。

前入居者が孤独死でも告知は3割?事故物件の知られざる実態…不動産会社により対応バラバラの画像3
出典/日管協総合研究所「日管協短観」(2019年度上期)

 また、告知義務があるのは、大家や不動産会社がそのことを知っていた場合だ。賃貸オーナーが入れ替わったり、担当する不動産会社が入れ替わったりして、事故事例について知らなかったという場合はそもそも告知することができない。

 また、不動産会社が所有する賃貸物件を大家として貸す場合には、そもそも宅建業法の適用対象外となる。したがって重要事項を説明する義務もないので、入居予定者のほうから事故物件ではないかを確認する必要もある。

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17:30更新
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