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野村HD、“8年ぶり社長交代”に金融業界で疑問広がる…「聖域なきリストラ」の号砲

文=編集部

「証券業界はIT企業とも競合」

 森田氏は17年4月1日、野村證券の社長に就任した。永井氏と森田氏は共に労働組合の委員長を務めるなど、顔を見ただけで相手が何を考えているかがわかる、“ツーカー”の間柄だったとされる。ところが、森田氏についた渾名は「きかんしゃトーマス」。周囲に惑わされずに、ひたすら突き進むという意味だが、一方で「融通が利かない」との皮肉が込められていた。この点が、最終段階でマイナスの評価になったのだろうか。

 18年4月の人事で森田氏と奥田氏の共同COO体制に移行した。奥田氏が森田氏に並びかけたと評された。そして、今回、奥田氏がゴール前で差し切ったことになる。奥田氏は投資銀行部門が長く、17年、企業のM&A助言業務で野村HDが6年ぶりに首位を奪還した立役者だ。

 19年12月初旬、奥田氏は永井氏と一緒に記者会見し、「証券業界はIT(情報技術)企業とも競合となっており、危機感は強い」と強調した。「他社とのM&Aについては柔軟に対応していく」との発言に、内外の金融機関の首脳が注目した。米ペンシルベニア大学ウォートン校で経営学修士(MBA)を取得し、外国人相手にも臆さない。「セカンダリー(流通市場)からプライマリー(発行市場)、トレーディング(商品売買)からオリジネーション(商品組成)へと軸足を移していく」と就任記者会見で決意を表明した。

 傘下の野村證券社長を誰にするのか。ライバルだった森田氏の処遇をどうするのか。人事で奥田色を出せるのかが最初の関門である。

(文=編集部)

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