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ラフォーレ原宿・広告盗用問題、代理店は酒井氏の作品は認識しつつ「模倣の意図なし」と主張

文=編集部
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 その後、1月21日にW+K様のオフィスにおいて、ラフォーレ原宿様のご担当の方も交えたご説明の機会を設けていただき、そこに弊社担当者が酒井と共に出席をいたしました。その際、W+K様のご担当の方より,テプラを使用した酒井の作品のことは知っていたが、本件広告はコンセプトが異なるし、インスパイアもされていないので盗用にはあたらないと判断をしたとのご説明をいただきました。

 W+K様が述べておられるコンセプトの違いが仮にあったとしても、本件広告が酒井の作品と類似しているという印象を受けるものであることは間違いなく、それを過去に仕事の上での接点もあったラフォーレ原宿様及び個展の開催というご縁もあり、酒井の作品のことをよくご存知のW+K様が、これだけ大々的に使用することについて、事前にご連絡をいただけなかったこと、広告という性質上事前の連絡が困難であったとしても、酒井が問い合わせをするまで事後においても全く連絡をいただけなかったことについて、弊社及び酒井が覚えた不快感は払拭することができず、その旨をお伝えしいたしました。

 結局その会合自体は具体的な解決には至らずに終わっておりますが、弊社及び酒井としては、特にこれ以上本件広告を問題視する考えはありませんでした。

 ところが、1月24日に本件広告を担当され、21日の会合にも同席をされていたデザイナー様が、インスタグラム上に本件広告についての書き込みをされているのを把握しました。そこでは、酒井の作品への言及は一切なく、面談の際に当方がお伝えした不快感に対する配慮も全く感じられないものであったため、酒井が1月24日から25日にかけてTwitter上で本件広告について発言をするに至りました。しかしながら、今後は酒井が本件について投稿をすることは考えておりません。

 本件告知文については、事前にW+K様より案をお送りいただき、内容についてコメントをさせていただきました。その際、弊社及び酒井としては、本件広告については、上記のとおり酒井の作品のことを知りつつ、盗用にはあたらないとの判断から当方への事前及び事後の連絡をすることなく制作及び発表されたものであるということを明らかにしていただく趣旨で、酒井の作品のことは知っていたが、コンセプトが違うので問題がないと判断して発表するに至った旨を加筆していただきたい旨を要請させていただきました。

 上述のとおり、客観的にもW+K様が酒井の作品についてご存知であったことは明らかですし、上記会合の場でもこの点は認めておられたのですから、特に不合理な要望ではなく、特に問題なく応じていただけるものと考えておりましたが、受け容れてはいただけませんでした。

 冒頭でも申し上げましたとおり、本件告知文には弊社及び酒井の具体名は記載されていない以上、その内容について特に申し上げることはありません。また、酒井が本件のような事態にこれ以上関わることは、本人の今後の活動にとって有害無益であると考えておりますので、本件広告についてラフォーレ原宿様及びW+K様に対してこれ以上の対応をお願いする考えもありません。ただ、繰り返しになりますが、本件広告の制作及び発表に際し、酒井の作品についてご存知でありながら、事前にも事後にご連絡をいただけなかったこと、当方からの問い合わせ後の上述のご対応について、弊社及び酒井が不快感を覚えたことについてはご理解をいただければ幸いです

【以上、所属事務所の見解】

代理店「模倣する意図は一切ない」

 一方で、酒井さんに剽窃を指摘されている広告代理店「Wieden+Kennedy Tokyo」(WK社)は25日午後5時50分、当サイトの質問にメールで回答した。質問と回答は以下の通り。

【以下、WK社とのQ&A】

――酒井さんは、御社の担当者が「酒井さんの作品を剽窃した」と認識した上で、「ラフォーレの広告を作成した」としていますが、それは事実ですか。

WK社 アーティストの作品を再現もしくは模倣したりする意図は一切ございません。今回のアイデアは、例えば注意書きだらけのコンビニのコーヒーマシンのように、誰にでも分かりそうなことを、やりすぎなほどに説明を貼ってしまうテプラ文化からヒントを得て作られました。

――酒井さんのご指摘に対してどのようなご見解をお持ちですか。また著作権に関する御社のコンプライアンスはどのようになられているのでしょうか。

WK社 弊社としては、お会いした際に、ご不快な思いをさせてしまったことについてお詫び申し上げた認識でおります。社内でのコンプライアンスを含め、誠心誠意、引き続きアーティスト様とも話し合いを進める所存でございます。

代理店に蔓延する「原作とよく似た広告」

 元大手広告代理店クリエイティブディレクターは事の顛末を次のように解説する。

「代理店のクリエイティブディレクターは新聞、雑誌、ウェブ、アートワークなどいろんな媒体からインスパイアし、そのうえでスクラップアンドビルドして企画を作成しているので、結果として『よく見ると似ている』作品になってしまうことはあり得るでしょう。

 それに相当有名なアーティストでない限り、表立ってクレームを言われることはないので、『偶然似てしまったように仕上げる』もしくは『パクったようにも見えるが実はオリジナル』というグレーゾーンな事例は想像以上に多いです。非常に問題だと思いますが、オリジナルのアーティストが泣き寝入りすることも結構あると思います。

 事の真偽はどうあれ、ラフォーレ原宿はモデルやファッション業界の関係者にとって、非常に大きな存在です。東京の顔の一つでもあり、そこのPRを担うのは社としてのブランディングを高めることになり、代理店にとっても優良なクライアントです。代理店、事務所、ラフォーレ3者が問題を拡大させたくないと動いているのかもしれません」

 ちなみに酒井さんは28日朝、次のような投稿をリツイートした。

「ラフォーレのテプラ広告パクリ、先人がいるならその若い才能を引き込んで作品作るべきだろ。コンセプトだけ参考にして、ギャラと評価はアイデア流用したおっさんが独り占めって、そーゆー潰し方すんなって」

(文=編集部)

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